判官びいき

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ボウイのフォロワー、コピー、イミテーション。
コマーシャルな成功を手にすることなく83年に亡くなった
ジョブライアスを評することばはどうしてこうもネガティヴなのか。
誰もボウイをボランのコピーとは言わないし
ストーンズをビートルズのフォロワーと評しはしないのに。
ジョブライアスのデビュー・アルバム(73年)とボウイの”ダイアモンド・ドッグス”(74年)。
どちらも衝撃的なアルバム・カヴァーに包まれていたが
ともに象徴派の画家クノップフにインスパイアされているとはいえ
ボウイが素朴に下半身を豹から犬へ変更しているだけなのに対し
人がトルソ化しているようにもその逆のようにも思える両義性と
そこに転がっているばかりで身動きもままならない様に
フリークス の無垢の哀しみを重ねてみせた
ジョブライアスの方が表現としてずっと深いところへ届いているように思える。

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極めつけはこのアルバム三曲め、ジョブライアスのラップ(らしきもの)。
ボウイも四曲目の”キャンディデイト”でルー・リード直伝の
ポエトリー・リーディング系のラップを聴かせているけれど
ジョブライアスのラップはリーディング系の影響を感じさせない
ダイレクトに後のオールドスクールのラップに繋がっている感じ。
ここでもボウイに一年先んじている。
またジョブライアスがここで用いているファンキーなギターは
ボウイにおいては75年の”ヤング・アメリカンズ”を待たなければならない。

早ければ偉いってものでもないけれど単なるフォロワーじゃないってことを
ボウイ・ファンとしてもひとこと言っておきたかった。
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by miracle-mule | 2009-12-02 00:32 | ノート
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