84年のアルバム”ファム・ファタル”の一曲。
ああ、この恋も 憂うつね
頬づえつく バルコニー
花にたとえた 男達
私の庭に 咲いている
ガーベラとかデイジー 黒い百合も
素敵な恋人だったわ
貴方も私の庭に来て
ミイラになったミイラ取りは暗闇で何を待つのだろう。
庭の賑わいとしてコレクションにされてしまった男たちの心情や
彼らが待つものも気になるけれど
いずれコレクターの女も
ドライフラワーとか押し花とかにされてしまうのだろうし
そうなった彼女は何を待つことになるのだろうかと気にかかる。
さらに彼女をコレクションにした者もやがて..
などと妄想がぐるぐると渦になって止まらない。
そのあたりの美しさと怖さを描いたかしぶち哲郎の詩と曲も巧みだけど
詩の比喩が喩えでは済まない気がして来るのは
石川セリの絵に描いたような美貌と
それ以上に現実離れしているくせになまめかしい
あの
魔法のような息づかいの歌声があればこそ。
ちょっとだけ花にされてみたかったわ。