加藤和彦の最先端カクテル

c0131206_1121871.jpg
最先端のモードやサウンド、テクノロジー。
最新のアイテムを携えて加藤和彦が向かう先はたいていの場合過去だ。
テープ処理のアイデアを抱えたヨッパライの行き先は念仏やベートーヴェン。
グラムの使者と化して演じたのは服部良一のブギや
開国ニッポンのばか騒ぎ
”パパ・ヘミングウェイ”以降のソロ期はデジタル機器やニューウェイヴのモードで
20,30年代ヨーロッパのカフェ、キャバレーへ
和幸やVitamin-Qでは自分が実際に辿った60、70年代のフォーク、ロック
といった具合。
ただ過去なら何でもどこでも可か、と言うばそうでもなく
周到にすべてそれぞれの時代の最先端が選ばれている。
フォークやロックは言うに及ばず
仏教は思想の
ベートーヴェンは古典音楽の
服部良一は昭和歌謡の
最先端だし
黒船は開国の
カフェ、キャバレー文化は大量消費社会の
始まりを告げるファンファーレだ。
新旧の最先端は共振してどちらにも属さない新たな先端を生み出すということを
どうしてか若い頃から彼はとてもよく知っていた。
知っていたのは彼ひとりに限らないだろうが
80年代の彼ほど優雅な手つきでその融合のカクテルを
飲みやすくて美味で香しい度数の高いカクテルを
供した音楽家はおそらく世界のどこを見渡しても他にないと思う。
[PR]
by miracle-mule | 2009-12-08 01:51 | ノート
<< レナード・コーエンの不敵な老後 石川セリ”恋愛飼育論” >>