ルーファスは天使だ/ルーファス・ウェインライト東京公演

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凄いステージだった。
二部構成でどちらもピアノの弾き語り、共演者はゼロという
全くのソロ・コンサート。
第一部は新作”オール・デイズ・アー・ナイツ”全曲。
その間拍手、歓声の類いは禁止。
娘のピアノの発表会に臨む父親の気分を思い出す。
咳き込むことのないよう用意しておいたガム(長持ちするストライド)が
異常な緊迫感を多少なりともやわらげるのに役立ってくれました。
正直に言えば問題は少なくなかった。
弾き語りでやるにはピアノのパートが難しすぎる。
曲が要求する技術の水準が高すぎる。
案の定指がついて行き切れない場面がいくつかあった。
一部終了後の休憩時時間には後ろの席から
ミスとかじゃなくて16のパッセージが全然弾けてなかったと
大きな声が聞こえてきたりもした。
またピアノで書かれたと思しき曲ばかりが選ばれていたために
曲同士が持ち味を相殺しあった気もする。
が、そうした瑕疵がショーの魅力を減じたかといえば答えは全くノーで
ステージの上で自分の限界を押し拡げようと苦闘する姿も含めて
持てるもののすべてをオーディエンスに向かって差し出そうとする姿
自分という果実を惜しみなく分け与えようとする姿に
思い切りこころ打たれた。
それは才能は必須の要素ではあるけれど才能だけでは決してもたらし得ない
歓びを伴った感動で時間を追って深く心に沁みて来る。
「ルーファスは天使だ」という自説が一層確固としたものになった
素晴らしい一夜。
でもせめて一曲ギターの曲が聴きたかった。

"Cigarettes And Chocolate Milk"! 感電した!
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by miracle-mule | 2010-10-06 21:16 | ノート
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