ナツメロの指紋1

マッシュ・マッカーン / 霧の中の二人
Mashmakhan / As the Years Go by

時代を超えて生き続ける名曲が失ってしまう時代の香りを
何より色濃く保存しているのは
時代を超えることもできず
かといって地下に潜ってカルト的信仰を集めることも叶わず
変化の波にあっさり呑まれて消えて行った一発屋たちの
忘れられたヒット曲ではなかろうか。
記憶の彼方に埋もれて忘れていたことさえ忘れていた曲との再会は
釣り上げられる魚が踊りながら魚影を現すようにゆらゆらかつダイナミックに
その時代の自分のこころ持ちを照らし出す。ような気がする。

必要以上に重々しい出だしに続いて現れる
思わず膝が折れるようなヘタレなオルガンがまず印象的。
当時けっこうクールだと思われたヴォーカルもまあもったいぶってるだけでした。
と、褒めたくても褒め言葉に窮する曲とバンドの
このトロくさいメロディとアカ抜けない雰囲気こそは
今この時代に真似したくてもどうにも真似しようのない
70年代のキモのひとつだという気が強くする。
まあ誰も真似したくないとは思うけど。
激動の60年代とバブルに踊った80年代に挟まれて
いまひとつ影が薄く定まった形の見えにくい
70年代の気分がよくあぶり出されていて
広い意味で好きな曲であります。

”栄光のロック&ポップス・ベストコレクション vol,2”に収録。
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by miracle-mule | 2011-03-02 22:02 | ノート
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