グールド

c0131206_1321060.jpg















グレン・グールド/ゴールドベルク変奏曲
Glenn Gould/The Goldberg Variations

深夜の星は濡れたように瞬き
朝の空気がその輪郭をなぞれそうなくらい固くパリンと冷えて
朝日がいっそう低い角度から差し込むようになると
グレン・グールドのゴールドベルク変奏曲やパルティータの季節。
部屋をゆっくりと舞う細かな塵が
カーテンの隙間から漏れる朝日を反射して
冷たい季節に幸福な光景を作り出すように
右手が放つ光を左手が反射して
グールドのピアノは聴く者を魅了する。
バッハやブラームスにおける
光の粒子が目前ではじけて
飛沫が尾を曵いて飛び散って行くようなピアノの音の連なりを
iPodのボリュームをいっぱいに上げて聴きながら
深夜車を走らせていると
冷たい星の輝きや対向車のヘッド・ライトの効果も相まって
エンドルフィンやドーパミンが脳内に溢れて
運転中だというのにもうクラクラだ。
ピアノの旋律とはかけ離れた唐突なおじさん(グールド)の
うなり声や歌声にギクッと我に返って事無きを得るのだけれども。
そういえば演奏中の彼の表情には
うっとりを通り越して恍惚とした相が浮かぶけれど、
もしやこちらもあんな表情でハンドルを握っていたのか。
近年数学的見地から評価される機会の多いバッハの音楽ですが
宗教音楽として教会に集う人びとを陶酔に導くのが本来の役目であったはずで
こんな聴き方もあながち間違いではないのかも。
いつかステンド・グラスのきれいな教会にiPodを持ち込んで
聴いてみたいものです。
クリスマス・ソングと差し替えてみるのもよいですね。。

60年代半ば以降コンサート活動をドロップアウトしてスタジオにこもり
沈んで行く古典音楽の大陸の中でただひとり
台頭するロックやジャズの前衛たちと時代を並走したピアニストですが
ビートルズをあまり認めなかったもかかわらず
バーブラ・ストライサンドが大のお気に入りだったというのが
いかにもこの人らしく、ちょっとズレていて可笑しくも愛らしい。
c0131206_1325550.jpg















前髪はらり、美神系だった頃
[PR]
by miracle-mule | 2007-12-11 00:34 | アーカイヴス
<< 食器洗いに最適なトップ7 男子の絵本 その1 >>