カテゴリ:day after day( 102 )

愛の嵐



迫る世紀末になんとなく世間が脅えていた前の世紀の75年。
十代最後の年を安穏と過ごしていた少年の
それなりに安定していた世界像の地軸を歪め
いずれ精神の皮膜を喰い破って生れ出る何かを産みつけていった
「理解」とも「感動」とも無縁なまま
遠くに地鳴りを響かせる罪深いフィルム。

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シャーロット・ランプリンの歌声は
絡みつくとなかなか剥がれない揺らめく海藻のようで
取り憑かれたように繰り返し聴いた。
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by miracle-mule | 2013-02-20 15:51 | day after day

7 Days in Havana


およそ一年ぶりに映画館に行ってからirodoriさんへ。
今日は遅いですねと問われ、映画を観て来たと答えたら
一斉に”レ・ミゼラブル”?
そんなに凄い人気なの?
残念ながら観て来たのは
ハバナの一週間を月曜から日曜まで日ごとに異なる監督が演出した
オムニバス”7 デイズ・イン・ハバナ”でした。
これがなんとも言葉を失うようなシーンの連続で
二時間というそれほど短くないはずの時間があっという間に過ぎた。
とても沢山の人物が登場するのだが主役はやっぱりハバナの街。
スペイン統治時代の建物、革命前の古いアメ車、ヘテロとホモとバイ、
入り組んだ人種、キリスト教とサンテリア、
政治と経済のシステムとそのカウンター・システムと
そこで生きる人々の織りなす人間模様の光と闇の奥深さ。
そして全編を通じてこちらの耳とハートを羽交い締めにする
伝統音楽ソン・モントーノと台頭するストリート・ミュージック。
ああ、いいものを見せてもらった。
サントラはないみたいなのでしばらくは手持ちの在庫でラテン三昧。
(でもやっぱり映画館ではフィルム上映してほしいです)
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by miracle-mule | 2013-01-30 22:04 | day after day

ゴースト・イン・ザ・マシーン、海を渡る

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二年程前、隣町の富士市にある鉄道車両の廃車置き場で僕が撮った写真を素材の一部にして
お友達のswallowさんが作ったスコット・ウォーカーのムービーが
何故か今頃になって
イギリスのミュージック・ウェブ・マガジンに掲載されています。
新作リリースに絡んだスコットの特集記事のパーツとして使われたもよう。
自分の撮った写真がスコットの目に触れたと思うと
心臓の異音がドカドカ聞こえるようです。
検診で指摘されたのはこの音だったか。
僕がこの有り様なんだからswallowさん氷嚢あてて寝込んでるかもなあ。
お大事に。
swallowさんと富士岳南鉄道と錆びた電車に栄光あれ。

この記事のず〜と下の方です。

そして今日写真と入れ替わるように
スコットの新譜"Bish Bosch"のCDが空路届きました。
またまた手強くて闘争心が発火しそう。
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by miracle-mule | 2012-12-09 02:04 | day after day

バター・チキンとナン

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もう二十数年通っている六本木のインド料理の店MOTI。
地元沼津周辺を含めこれだけ長く通ってるお店は他にない。
だいたいそれだけ続く店自体稀少なんだけれど。
以前に比べるとちょっと辛くなった(社長さんらしきインド人も認めてました)けど美味しさの絶対値は相変わらず。
今日はお店のひとがいろいろ気に懸けて
入れ替わり立ち替わり話しかけてきてくれた。
MOTI史上最上の接客もあってつくづく満足。
つくづく単純。
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by miracle-mule | 2012-10-18 02:00 | day after day

余はいかにして洗車夫となりしか

台風一過の月曜日、気持ち良く晴れ上がって絶好の洗車日和。
海風が運んだ塩をじゃんじゃん洗い流す。
この三週間でなんと四度めの洗車である。
ことのほか丁寧に洗い上げた土曜日の翌日は台風だった。
その一週前の土曜は翌日曜日が雨。
そのまた一週前の土曜は洗車中に降り出した。
思えば最近の四度を除けばこの一年に車を洗ったのは三度だけ。
この圧倒的な転向堕落変節にお天気も狼狽したのやも。
とはいえこちらだって好きで洗っているわけじゃないのだ。

九月に車を買い替えた。
十年以上世話になった前の車の調子が落ちてきたのを機に
輸入車販売の 八廣堂 さんに車探しを依頼。
お題は安くて荷物がいっぱい積める
古いワーゲンのステーションワゴン。
モスグリーンか黒かシルバーでお願いします。
が、ひと月ふた月待っても朗報が届かない。
彼らの基準に届く質のタマがまったく出て来ないのだ。
業を煮やして電話すると
「ワーゲンは見つからないんですけど
信じられないくらいいい状態の古いベンツが見つかりました。
一度見てもらえません?」
いいでしょう。見るだけならいくらでも見るよ。
ベンツなんて一度も欲しかったことないけどさ。
と、かれらのホームの静岡へ。
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それは古いけれどおそろしくきれいな車だった。
新しいものがうつくしいのはあたりまえ。
長い間大切に扱われ敬意を払われてきたものが
経年の劣化さえ魅力に変えてそこにあった。
古いものの魅力とは煎じつめれば
そのものにどんな物語が宿っている(と思える)のかに尽きる気がする。
本当のところは元の持ち主を除けば誰にもわからない物語なのだが
ものの状態、風体からその物語を察し想像することは誰にでもできる。
古いものに触れることはものが秘めた物語を
それがたとえこちらの誤解であっても想像的に解きほぐし宙に放つことだ。
というような「物語」に一瞬のうちに飲み込まれ
後先考えずその場で購入を決めるはめに落ちいって
以来「きれいな車だということだけは伝えておきます」という
八廣堂さんの言葉に押しつぶされそうになりながら
自分の所有物というより預かりものというスタンスで
洗車、洗車と廃人のようにつぶやく日々を送っている。

洗車夫に成り果てたとはいえ
地方での生活と切り離すことのできない車というものを
大きな古道具、小さな中古住宅のようにとらえられるようになったのは
大きな収穫でありました。
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by miracle-mule | 2012-10-02 02:27 | day after day

miracle-mule 近影

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このところ棚のひとつは面置きにしてこんな塩梅になっています。
右向き左向きのポートレイトを中心に
雰囲気のある
というか憂いに満ちた
というかもったいぶった
とまあどうとでもとれるカヴァーを選んで展示しています。
どれもこれも思い入れたっぷりな作品で
真剣に聴き始めたら今さらでも一年かかりそう。
時間を気にせずどっぷり浸かれる日々が早く来ないかな。
個人的に今月は先月のスタン・キャンベルの後を受けて
TTDリヴァイヴァル月間。
溢れ出る才能が痛々しいくらい。


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by miracle-mule | 2012-09-11 01:41 | day after day

記憶をめぐる冒険

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村上春樹の”羊をめぐる冒険”を読み終えたところ。
おもしろくておもしろくて。
82年に初めて読んでから多分十回くらいは読んでるはずなんだけど
毎度毎度見事におもしろい。
人並みはずれた爆発的な忘却力がきれいに記憶を消し去ってくれるから
何度読んでも新鮮さが失われることもなく謎も謎のまま。
でも新しい発見もあって興奮もしました。
そうかそうか、これって村上版の”長いお別れ”だったんだ。
(映画の”ロンググッドバイ”もよかったなあ。
エリオット・グールドってチャーミングだったよなあ)
鼠はテリー・レノックスだったんだ、ふむふむ。
ふむふむって頷いたところで思い出すことがあった。
ここ数年読み返す度に”長いお別れ”だ、
テリー・レノックスだって発見しては叫んでたことを。
そういえばもうすでに粗筋さえおぼろに霞んできた気がする。

忘却力がめきめき身に付く3つの習慣、お教えします。
はは..
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by miracle-mule | 2012-08-22 02:13 | day after day

名刺ができたんだ〜

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支給じゃない自前の名刺をはじめて作りました。
weekend booksと音楽図書館の名刺なんだ〜
蓄音機の図柄は71年12月号のMUsic Life77ページから。
ちょっとうれしい。
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by miracle-mule | 2012-07-30 01:51 | day after day

脱プラナリア



先月12日に腰痛を再発させて以来
いよいよ脊椎動物を引退かと囁かれながら続いていた匍匐前進期も
7月に入りようやく終わりを告げ
このところ二足歩行もすっかり板について来た。
ようやく背筋も伸びて来て
なんとかプラナリアに墮する危機を逃れた気配だ。
背骨のある悦び。
夏空の青が目にしみる。
我感多幸在腰椎。
ああ、脊椎動物でいられる幸せ。
Get up, stand up stand up for your rights!
Get up, stand up don't give up the fight!
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by miracle-mule | 2012-07-18 22:45 | day after day

oh NO!



原発再稼働の強行とオスプレイ配備の押しつけと市場原理主義。
この三題噺の真ん中にいるのは野田政権、中央官僚、大手新聞
といった使いっ走りではなくて
当然親分のアメリカですね。
この国は形の上ではともかく中味は独立国じゃなくてアメリカの属国だから
どんな無理でもゴリ押しでも呑むしかない。
だから原発やオスプレイ/米軍基地にNO!を言うのは
日本の独立を口にするような暴挙に近い。
トモダチを自称するアメリカには悪いけど
暴挙でけっこう。
プライドを持ってNO!と言いたい。
フレーズが石原(知事』の真似みたいなのが少し癪ではありますが。

アメリカ生まれの音楽その他のポップカルチャーに
どっぷり浸かって育って来た身には
いささかつらい状況だが仕方ない。
これとて今に始まったことでもなく
皆多かれ少なかれそんな具合に引き裂かれて生きているのだから。
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by miracle-mule | 2012-07-04 11:41 | day after day