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国道一号線

近くの田んぼはすっかり稲刈りも済んで
あたりには藁のにおいが漂っていて
年を追うごとこのにおいに引き寄せられていることに気づく。
箱根を超えたら静岡まではここが唯一の田園風景なんだけど
年々縮んでいく田んぼ。
あたりまえの光景はいつもふいに姿を消す。
来年もここでこの景色が見られるのかどうか..

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by miracle-mule | 2008-10-31 02:13 | 街のバロック

ポートランドの青年

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ゲイリー・オーガン /ゲイリー・オーガン
Gary Ogan / Gary Ogan

AORファンの間で近年評価の高い
ゲイリー・オーガン77年のソロ・デヴュー作。
スティーリー・ダンのAOR的展開?が見事な”ザ・ロード”
かすかにメキシコが香るロマンティックな”ワンダーランド”
スティーヴィーの”キー・オブ・ライフ”にすんなり収まりそうな
ソウルフルな”ソールド・オン・ユー”
レオン・ラッセルのプロダクションの技とゲイリーの誠実な歌声に
柳もすすり泣く”ナッシングス・ライト・ウェン・ラヴズ・ゴーン・ロング”
鮮やかな旋律に「うう..」と唸るばかりの名曲”フーリッシュ・ラブ”などなど
乙女の涙を絞らずにはおかないソフト&メロウな名作だという思いは
発表当時と変わらず今もあるけれど
アルバムの最後にポツンと置かれた
飾りを排した等身大の立ち姿が美しい
フォーク・チューン”ザ・ロード・アット・ステインズ”に
丁寧に耳を傾けてみると
こうした素朴な世界が彼の本当の居場所なのだと今はよくわかる。
レイモンド・カーヴァーの故郷でもあるオレゴン
大きな自然と小さな良い町がたくさんあるのだそうで一度訪ねてみたいところ。
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by miracle-mule | 2008-10-29 01:42 | アーカイヴス

新着案内/スパークショー

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スパークス/エキゾティック・クリーチャーズ
Sparks / Exotic Creatures of the Deep

ロン・メールはブライアン・ウィルソンのことが多分大好き。

幼い頃を過ごした50年代後半から60年代前半のLA郊外での生活を忘れられず
未だに当時の通販カタログのままに暮らしている者が
今の社会の普通をじっと見つめて感ずるおかしみや
その普通とのズレや摩擦といったものを歌にし続けてきたのかなこのひと達は。
ビーチ・ボーイズが満員のディズニーランドなら
ネズミ一匹アヒル一羽見当たらない無人のそれがスパークス。
そんなスパークスが放つ最新作は
やっぱりききわけののない幼児性を底意地の悪いユーモアでくるんだ
ぴかぴかのシンフォニー。

70年代のバンド時代の輝きをすっかり取り戻して今絶好調。
そのちょっと前の勇姿はルック・ヒア
もひとつ、えい
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by miracle-mule | 2008-10-25 21:20 | 新着CD

私の幸せは意外に安い

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不調のDVD兼用機がとうとう手持ちCDの三割も読み込まないという
見下げ果てた無精者に成り果てたため
先の土曜日、思い切ってBOSEのWAVE MUSIC SYSTEMを購入。
御殿場アウトレット内のBOSE Shopにて
一度ク−リング・オフされた商品が一万円引で販売されているのをめざとく発見、
直ちにこれを買い求め
以来、「俺って買い物上手〜」かなんかいいながら
日々繰り返し繰り返しブライアン・ウィルソンやらスパークスやらばかり
聴いてはへらへら呆けている自分の幸せってけっこう安価。
うう。

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by miracle-mule | 2008-10-22 12:57 | day after day

新着案内/タンジェリンの夢

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ブライアン・ウィルソン/ラッキー・オールド・サン
Brian Wilson /That Lucky Old Sun

身を乗り出すようにしてロック・ミュージックを聴き始めた
60年代の末から70年代の頭の頃
ビーチ・ボーイズはすでに流行のカヤの外で
正直もう終わった人たちといった感じだったのだけれど
その時点で流行遅れだった音楽の構造をほとんどいじらずに
40年を経て再び音楽的な(セールス面は別にして)ピークを迎えるなんて
誰も予想しなかったことだろうし
本人だってそんなこと思ってもみなかったろう。
(God Only Knows..)
チャック・ベリーやフィル・スペクター、マーティン・デニーなどの仕事を参照しつつ
自分の明解な型を作り上げ
その型を磨き上げては強度を増すことに専心したあげく
その見事な型の存り様の故に長く時代から取り残され
同じ理由でまた時代に迎えられるというのは
どんな気持ちのするものか。
ここに聴き取れる南カリフォルニア(アメリカ)の
無垢な輝きといったものはもはや現実にはどこにも見当たらない
ブライアンのブライアン的現実の中にのみ生き続けているものだろうが
(Forever She'll Be My Surfer Girl..)
だからこそ失われた最後の神話的世界の残り香に少しでもこころ魅かれる者は
新作と聞けばそこに身を浸すことを渇望せずにはいられない。
っていうかもう浸るを超えて溺れそう。
リアリティに欠けると言えばそれはそうなのかもしれないけれど。
悪夢のような人生を生きた音楽家の夢のような一枚。

ブライアンの元気な姿と歌声ははここでちょっと。
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by miracle-mule | 2008-10-19 00:11 | 新着CD

新着案内/君は「完璧」さん

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ルパート・ホームズ/シングルズ
Rupert Holmes / Singles

やっとCD化されたルパート76年の第三作。
このアルバムを聴くたびに思い浮かべる言葉が
「完璧なポップス」
奥行きのある典雅な旋律と流麗なアレンジ。
歌い過ぎることのないヴォーカル。
選び抜かれ互いに響き合う耳に美味しい言い回し。
磨き上げられた諧謔とロマンス。
都市小説の短編集の如きアルバムの趣き。
この「完璧なポップス」が聴き手のこころを
奥底から揺さぶることはないかもしれないけれど
普段使いのレベルのこころを美しく彩ることにおいては
飛び抜けているのではないかとずっと、今でも思っている。

ちなみに当方の
「完璧なロック・アルバム」は
ビートルズ、”アビー・ロード”(賛同の声、多分大)
ロクシー・ミュージック、”カントリー・ライフ”(異論の声、多分大)
「完璧な歌謡曲」は
山口百恵、”横須賀ストーリー”
「完璧な青春小説」は
村上春樹、”羊をめぐる冒険”
「完璧な女の子」は
Men's BIGIのスーツを着た髪の長いちいさな1986年の女の子。
今頃どうしているかしらん。
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by miracle-mule | 2008-10-16 02:54 | 新着CD

胸騒ぎ提灯

秋もたけなわ。
収穫を祝い、ご先祖様に感謝して
お祭り、秋祭り。
深夜、ふと見上げると道の上に明かりを落とした提灯。
暗がりにぽっかり浮かんで色鮮やかに光る提灯も良いけれど
仕事を済ませてひっそりとしている姿にもまた捨て難い味わいがあるのであるが
この写真を見てスティーリー・ダンの”エイジャ”を思い浮かべるのは
僕だけ?
って、自分の提灯持ってどうすんだか。

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by miracle-mule | 2008-10-14 01:42 | 街のバロック

サンプルCD秋の号/ハーヴェストの夜(仮題)

今月25,26日atelier f .で開かれるweekend bookstore vol.4に便乗して
新規会員の募集を行います。
25日のみ入会希望の方、会員の皆様、先着(おおよそ)10名の方に
サンプルCD秋の号を差し上げます。
ご希望の方は是非いらしてくださいませ。
イヴェントのお知らせはこちらです。

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サンプルCD /”ハーヴェストの夜、あるいは、長い影”
中味はだいたいこんな感じです。

曲名 / アーティスト / アルバム名
Benjamin / James Taylor / October Road
Appetite / Prefab Sprout / Steve McQueen
Lucky Dime / Calexico / Garden Ruin
Sitting In My Hotel / The Kinks / Everybody's In Showbiz
Dance Away / Roxy Music / Manifesto
September/ David Sylvian / Secrets Of The Beehive
The Secret Marriage / Sting / Nothing Like The Sun
From The Beginning / Emerson, Lake & Palmer / Trilogy
Moon River / The Innocence Mission / Now The Day Is Over
Milonga Paraguaya / Jorge Drexler / Cara B (Cara C)
Os Passistas / Caetano Veloso / Livro
I Never Cared For You / Willie Nelson / Teatro
Racines / Kali / Racines
Play Gypsy Play / Leon Redbone / Up A Lazy River
Coast Of Malabar / Chieftains & Ry Cooder / The Long Black Veil
France / Keb' Mo' / Keep It Simple
Sailing To Philadelphia / Mark Knopfler / Sailing To Philadelphia
I Forgot That Love Existed / Van Morrison / Poetic Champions Compose
Letters That Cross In The Mail / Rupert Holmes / Widescreen
The Circle Game / Joni Mitchell / Travelogue
Don't Let Me Be Lonely Tonight / James Taylor / October Road


以下追加記事になります。

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サンプルCD初冬の号/奈落のボレロ(仮題)

1)Preciso Me Encontrar2:58Cartola
2)Coração Vagabundo4:38Caetano Veloso
3)Roka3:43Calexico
4)Chan Chan4:18Buena Vista Social Club
5)Song Of The Wind6:03Santana
6)A Prisoner Of The Past5:02Prefab Sprout
7)Romulus4:42Sufjan Stevens
8)Sometimes It Snows In April6:50Prince
9)Sign Your Name4:38Terence Trent D'Arby
10)Life's A Gas2:24T.RexElectric Warrior
11)Love Of My Life3:39Queen
12)These Foolish Things5:41Bryan Ferry
13)The Itch4:56Keb' Mo'
14)Let's Go Sit On The Lawn4:18Lightnin' Hopkins
15)Make No Mistake4:52Keith Richards
16)I'm Sorry Alice4:11Peter Ivers
17)Wailing Wall3:05Todd Rundgren
18)Hello It's Me3:04Lou Reed & John Cale
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by miracle-mule | 2008-10-10 02:10 | プレイリスト

秘密のおじさんの秘密

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レオン・レッドボーン/レイジー・リバー
Leon Redbone /Up a Lazy River

移動遊園地の秘密の小部屋。
うさんくさい占い師が、取り出したCDを水晶玉みたいに撫でまわすと
そこに古い古いアメリカの情景が...

黒めがね、チョビひげにパナマ帽。
ブラック魔王と見紛う
見るからに怪しいおっさんであるが
そこはそれ
そこばかり気を取られていてはこのおじさんの本質を
見損なう、見失う、見誤るのであって
ここはひとつその歌声、その音楽そのものに
真摯に向き合ってみるのがよろしからんと
聴いてみんとてするなり。
一聴、戦前のトラディショナル、ブルース、ジャズなど
古色蒼然とした作品を好んで取り上げる
物好きなただの鼻歌親父のようであるがさにあらず。
実のところヨーデル、シャウト、モノローグ、口笛と
いずれをとっても天下一品、超絶技巧の持ち主なのであって
その技巧をそらとぼけた味で懐中に隠しているところがまた奥ゆかしくもいやらしいね。
厚く埃が積もって、クモの巣にまみれた骨董的な歌の数々を通して
表れるこのおじさんの世界は
大河のつくる三角州の如き豊穣さで聴き手のこころを満たし
地球の芯まで届く深い井戸みたいな得体の知れないユーモアで
絡みつく浮き世のしがらみの結び目をひとつまたひとつと解いていくよ。
75年のデビューの時点においてほとんど出来上がったおっさんの感があったレッドボーンではあるけれど
意外にも当時人気を博した誰よりも一等群を抜いて
進化、深化したのは数十年飽きもせず同じようなアルバムばかり作って来た
このおひとだったのではあるまいかと
今更ながら自らの不明を恥じつつおじさまの歌声に耳を傾ける日々なんだなこれが。
現代(って言っていいのかなあ)アメリカ音楽の隠れた巨人、92年の快作。

おじさんというものはかくも奥深き存在なのであって
夢ゆめ侮ってはいけないよって見本がこれ
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by miracle-mule | 2008-10-07 00:45 | アーカイヴス

新着案内/内省カントリー

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ライル・ラヴェット/ヨシュア・ジャッジズ・ルース
Lyle Lovett / Joshua Judges Ruth

いかにもカントリー然としたものはうーん...
がしかしジャジーなピアノが滑り込んで来ると
音の景色がガラリと一変する。
カントリーだけでもジャズだけでも得られない
スリルにゾクリ。
異質なものが触れ合って生まれるスリルというのは
間違いなくあるのだけれども
何でもかでも混ぜ合わせれば良いというものでもなく
その味、香りを左右するのはブレンダーの匙加減ひとつで
この場合ピアノにどこか印象派を思わせるの色が濃いのが魅力的。
独白調の3、4、7などこのひとならではの
螺旋を描いてゆっくり落下していくような当てどなさに
魅き込まれずにいられない。
当てどない歌と映像はここで
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by miracle-mule | 2008-10-04 02:40 | 新着CD