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新着案内/美神55とモグラおじさん81

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グレン・グールド/ア・ステイト・オブ・ワンダー
Glenn Gould / A State of Wonder (The Goldberg Variations 1955 & 1981)

このひとは何故かデビュー作と遺作がゴールドベルク変奏曲。
ちょうど一年前にご紹介した
思慮深く透徹した眼差しの81年録音は絶対的フェイバリットだけれど
若く活力に満ちて軽やかに疾走する
55年のグールドもまたたまらない。
演奏の最中彼が歌い唸り
時折見えない楽団を指揮しているように見えるのは
彼のピアノの向こう側に
僕たちには聴こえず
彼だけに聴こえている
霧のように捕まえづらい協奏曲が存在しているからなのだろうか。
そのひとかけらでも想像できたらさぞ幸せだろうに。
聴き比べにも最適な55年盤と81年盤の二枚組です。
元美神のモグラおじさんぶりはこちらから。

写真は伊豆仁田cafe irodoriさんにて。

今年一年お世話になりました。
どうぞ良いお正月をお迎え下さい。
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by miracle-mule | 2008-12-31 02:44 | 新着CD

新着案内/アルセニオ・ロドリゲスに捧ぐ

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マーク・リボー/キューバとの絆
Marc Ribot y los Cubanos Postizos / The Prosthetic Cubans

ジャズ寄りのギタリスト、マーク・リボーによる
キューバ音楽=アルセニオ・ロドリゲスへのオマージュ。
アメリカ本土から離れ「裏庭」キューバの音楽を掘り起こせば
その照り返しの中にアメリカの今もまたおぼろげに浮かび上がる。
クラベスが、遠くで鳴る夜回りの拍子木のようにうら寂しく響き
まろやかなアルセニオ・ロドリゲスのトレスを
リボーのぎらつくギターに置き換えると
典雅なソン(ハバネラ)の世界が
国を追われた無法者たちの吹き溜り、紫煙に沈んだハバナの安酒場に一変。
ブッチ・キャシディとサンダンスキッド、ボニーとクライドの顔も見える、
ような気がしてくる。
偽のラテンにはいつだってやられ続けて来た自分だけれど
パンクなウェス・モンゴメリーみたいなリボーのギターの魅力を前にして
またもやコロリといかれてしまった。
溢れるセンティミエントとサボールへの想いに溺れて
またラテン魂に火が点きそうでさあこれは困ったぞ。
1998年の作品です。

これでハートに火を点けて。
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by miracle-mule | 2008-12-27 23:19 | 新着CD

新人さん

不思議な雑貨店hannaさんよりいらしたおふたり。
極小の白サンタと赤サンタ。
半径三センチの範囲でクリスマスを鮮やかに彩ってくれています。
皆様どうぞ良いクリスマスをお過ごし下さいませ。

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by miracle-mule | 2008-12-24 13:07 | day after day

新着案内/旅の途中で

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ライ・クーダー/流れ者の物語
Ry Cooder / Boomer's Story

ライ・クーダー、1972年のアメリカを巡る旅は流れ者の物語。
ひと所に腰を落ち着けることのできない
ウディ・ガスリーみたいな流れ者が大陸中を旅して回って見聞きした
南北戦争やら大恐慌やら大統領暗殺やらのお話を
旅の空のロマンスの思い出などをまじえて
問わず語りに若い衆(かどうかは不明)相手に語って聞かせる様子を
自作曲ではなしに伝承歌や古びたブルース、忘れ去られた流行り歌などで綴った
一種のトータル・アルバムとも言えそうな仕立て。
旅する男を通して
新しい装いと引き換えに脱ぎ捨てられたもうひとつのアメリカが浮かび上がる。
ライのスライド・ギターがむせび泣くダン・ペン作の
”ダーク・エンド・オブ・ザ・ストリート”、
ランディ・ニューマンのピアノとライのギターが静かに語り合う
伝承歌”旗のもとに集まろう”など
地味な作りながら是非とも耳元へお届けしたい名曲、名演多数収録。

表題作”流れ者の物語”で始まった
エピソードの数々を語り終えた流れ者は、
終曲”Mr.レイルロード・マン”に誘惑にお尻がもぞもぞ。
ギター背負ってまた貨車中の人。

五曲めのハバネラのライヴがここで聞けます。
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by miracle-mule | 2008-12-23 02:55 | アーカイヴス

一音の行方

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グレン・グールド/ブラームス間奏曲集
Glenn Gould / Brahms ; 10 Intermezzi for Piano

耳が捉えたものを目が追い
目にとまるものに耳を澄ます。
目と耳は頭の奥の方でしっかり繋がっている。
グールドのこのブラームスは
時間をたっぷりとって
ボリュームを絞って
そっと生まれ出てしばし中空を漂っては消えて行く
ピアノの一音いち音に耳を澄ませ
一音の一生を見届けるように噛みしめ味わいたい。
あはっ、口も繋がっていた。

バッハでよろしければこちらをどうぞ
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by miracle-mule | 2008-12-19 02:37 | アーカイヴス

新着案内/フラクタルの庭で

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デヴィッド・バーン&ブライアン・イーノ/エブリシング・ザット...
David Byrne & Brian Eno /Everything that Happens will Happen Today

バーンの幾分エキセントリックな歌声は
音の作庭家イーノのサウンド・スケープの中に置くとひと際映える。
イーノの作り置きのオケにバーンが歌をつけたという経緯のようだけれども
どう聴いてもバーンの作った曲のように思えてしかたがない。
はじめから彼のヴォーカルを想定して作られていたのかもしれない。

”トゥルー・ストーリーズ”の親しげで奇妙な世界と
フラクタルな運動する音の鉱物標本”ブッシュ・オブ・ゴースト”をブレンドして
二十数年寝かせるとこうなったという趣きがある。
音のひとつひとつが隅々までトリートメントされ
磨き上げられた玉のよう。
熟成が進んでブーケはまろやかで複雑微妙さを増したけれども
華やかなアロマは若々しく刺激と驚きを失わない。
計算し尽くされ考え抜かれた「デザインされた自然な庭」のようなアメリカ像。
ふたりの英国人にとってのアメリカ再発見の旅は
カントリーをベースにした彼らにとってのブラウン・アルバム(ザ・バンド)のようにも聴こえるけれど単なる歌ものとしてもとても楽しい。
シミュレーション・ゲーム”動物の森”の不気味版みたいな
アルバム・カヴァーの家の各箇所をピックアップしたCG満載のブックレットを
眺めながら聴くといっそう愉快。

へんなビデオはこちら
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by miracle-mule | 2008-12-16 13:27 | 新着CD

夜は優し

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ケイト・セント・ジョン/夜のいたずら
Kate St John / Indescribable Night

英国フォークやアイルランドの伝承歌、
スウィングやシャンソン〜ミュゼットにワルツやジンタ。
曲調はバラエティに富んでいるけれど
ヴォーカル、オーボエ、サックス、
ハープ、アコースティック・ベース、フレンチ・ホルン、
ヴィオラ、チェロ、ピアノ、バスーン、
アコーディオン、ウクレレなどが控えめに奏でる調べには
いたるところにどこか古楽的、中世的な趣きが潜んでいる。
ケイト・セント・ジョンの紡いでみせる夜には
濃い闇のとろりとした甘みや運河を渡るぬるい風の身を浸すような心地よさと
繭にくるまれているような親密さがある。
良き一日を良い夢へと繋げる夜の一枚をお探しなのですね。
では何をおいてもこちらがお薦めです。

何故か語られることの少ない95年の名作。
こちらは80年代に在籍したドリーム・アカデミーの
ちょっと懐かしいヒット曲。
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by miracle-mule | 2008-12-13 02:39 | アーカイヴス

新着案内/北のアンサンブル

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スフィアン・スティーヴンス/ソングス・フォー・クリスマス
Sufjan Stevens /Sufjan Presents Songs for Cristmas

目を閉じてスフィアンの奏でるバンジョーやリコーダーの旋律に耳を澄ませる。
演奏というのは
虚空にから生まれ出て虚空に消えて行く音の連なりなのだと
あらためて知らされる。

高い空に生まれては舞い降りて
湖面に消えていく粉雪のアンサンブルのような音楽をお探しですか?
でしたらお薦めです。

30分程度のCD五枚セットの大作ですが全体を通しで聴いてもバラで聴いても
楽しめます。
グレゴリー・コルベールの写真を合わせた画像がありました。
南のアンサンブルといった感じ。
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by miracle-mule | 2008-12-09 01:07 | 新着CD

菊と富士

伊豆韮山の畑の中にこつ然と現れた算盤教室。
(実際には教室は前々からここにありこつ然したのはこちらなのだけれども)
成層圏の青を背に菊の御紋が眩しい。

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その向こうにはこのお山がいらして。

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by miracle-mule | 2008-12-06 22:41 | 街のバロック

またまたクリスマス

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ザ・クリスマス・コンパクト・ディスク
The Christmas Compact Disc

巷間云われるように
万物はだいたいのところ陽と陰、火と水、
男と女、フランシスとレイ
善と悪、ルークとベイダー卿など
相対立する要素が玄妙、微妙にからまりあって出来上がっているのだとすると
クリスマス・ソングの世界などというものも
賛美歌のような立派な歌ばかりでは成り立たず
しょうもない端唄、流行り歌の類いもこれ大事必須の要素なのであって
あまり軽んじてはいけないし
賛美歌ばかりが威張っていてもダメ。
かといってちょっと流行ったからといっても端唄は端唄。
分をわきまえることを忘れて威張ってはやはりダメ。

という訳で今日はこんなコンピレーションのご紹介。
ビングとジョニー・マティス、ジョン・レノンなど一部例外はあるものの
いずれ劣らぬ色物がいっぱい。
スレイド、ワム!、ゲイリー・グリッター、
シェイキン・スティーブンス、マッドなどなど
思わず腰が砕けるような情けない名前が並んでいるのだけれども
意外やこれがバカにならず二十数年間十二月ともなると
引っ張り出しては飽きずにかけるのである。
が、やはり突出しているのはポップスの魔法を煮しめたような
ロイ・ウッドとビーチ・ボーイズの二曲で
天晴れ、しがない流行りものの身でありながらも立派の歌よりよほどに立派。
にしても聖ニコラスをつかまえてニック呼ばわりの乱暴狼藉、
メリケン気質につける薬ってのはないのかしらん。

1.Band Aidハ: "Do They Know It's Christmas?" ミ 3:49
2.Wizzardハ: "I Wish It Could Be Christmas Everyday" ミ 4:42
3.Sladeハ: "Merry Xmas Everybody" ミ 3:44
4.Wham!ハ: "Last Christmas" ミ 4:28
5.Elton Johnハ: "Step Into Christmas" ミ 4:14
6.Mike Oldfieldハ: "In Dulce Jubilo" ミ 2:51
7.Gary Glitterハ: "Another Rock N' Roll Christmas" ミ 3:36
8.Paul McCartneyハ: "Wonderful Christmastime" ミ 3:49
9.Shakin' Stevensハ: "Blue Christmas" ミ 2:48
10.John Lennonハ: "Happy Xmas (War Is Over)" ミ 3.36
11.Greg Lakeハ: "I Believe in Father Christmas" ミ 2.27
12.Chris de Burghハ: "A Spaceman Came Travelling" ミ 4:04
13.Jona Lewieハ: "Stop The Cavalry" ミ 2:57
14.The Beach Boysハ: "Little Saint Nick" ミ 2:01
15.Queenハ: "Thank God It's Christmas" ミ 4:19
16.Mudハ: "Lonely This Christmas" ミ 3:34
17.Johnny Mathisハ: "When a Child is Born (Soleado)" ミ 3:42
18.Bing Crosbyハ: "White Christmas"' ミ 3:06

この歌舞伎者がロイ・ウッド様。
曲はいいし歌も上手。化粧とコスプレの悪い癖さえなければもすこし...
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by miracle-mule | 2008-12-05 03:12 | アーカイヴス