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新着案内/イントゥ・ザ・ワイルド

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レイ・ラ・モンターニュ/ゴシップ・イン・ザ・グレイン
Ray La Montagne / Gossip in the Grain

大きなリビドーとストイシズム
若さ故の無知と傲慢と生真面目さと気高さと。
気負いと老成を同時に感じさせる曲と歌唱の佇まいの背後には
相反する要素の束が渦を巻いているようだ。
深い霧を思わせる掠れ声がそのせめぎ合いの強さと苦さと美しさを伝える。
”モーターサイクル・ダイアリーズ”の若きチェ・ゲバラ
”荒野へ”(ジョン・クラカワー)のアラスカで餓死した青年マカンドレスを思い出す。

いきなりサザン・ソウルな01、スロー・ワルツの02、
ストリングスとクラリネットとメロトロンの絡みが幻想的な11、
マカロニ・ウエスタン風な口笛で始まっておきながら
ギターの刻みで”ロンドン・コーリング”やヴァネッサ・パラディ”ナチュラル・ハイ”大貫妙子”ブリーカー・ストリートの青春”などを連想させたあげく
ジョンの”ストロベリー・フィールズ...”へ行っちゃう06など
佳曲がずらりのサード・アルバムです。

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一枚めの佳曲”シェルター”はここで。
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by miracle-mule | 2009-03-28 23:18 | 新着CD

ハスラーズ・タンゴ

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ルイス・フューレイ/ルイス・フューレイ
Lewis Furey / Lewis Furey

75年のデビュー以来待ち焦がれたルイス・フューレイの初来日コンサート。
所用で想い果たせず泣き暮らしていたところへ
想いを果たした友人から公演のグッズが届く。
とてもありがたいけどちょっと羨ましい。

ヴィスコンティの”地獄に堕ちた勇者ども”や
リリアーナ・カバーニの”愛の嵐”なんかに夢中だった
まだ足が地に着かない二十歳前後の自分にとって
20,30年代のパリの喧噪やベルリンの爛熟を突き抜けて
そこにあっても見えないものとされノーマルな世界から括り出されながらも
世界の端っこにしがみついたフェリーニ的フリークスや地下世界の人々の
哀しくも美しいポートレイト集の如きルイスの作品、
ことにこの一作めにはモラルの底が抜けるような圧倒的な快感がありました。
”ハスラーズ・タンゴ”の響きに噛まれた傷跡は
退廃と背徳どころか家族第一に首まで浸かった今でも
すっかり消え去ってはいないのだと
久々に聞き直しあらためて思い知らされたのでした。

届いたルイス・グッズは
デビュー当時の試聴盤と思しき17センチ・シングルを模した
シングルCD”ルイス・イズ・クレイジー”

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と、サード”スカイ・イズ・フォーリング”のアルバム・カヴァーを使った
ブラック・T

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家宝を寝てゲット。ありがとうございました。

見た目はすっかり変わってしまったけれど
歌声は今も変わらず
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by miracle-mule | 2009-03-25 02:56 | アーカイヴス

見張塔からちょっと

やたらに高い所を目指す人間の滑稽さを映してか
屹立して周りと交わることのできない孤独感からか
どんなに高く立派ななりをしていても
塔というのはどこかしらもの哀しく見えるもので
しかももの哀しさの薄いものは塔として格が低いような気がするのが
また不思議。

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となり町の団地にある給水塔、かな。
なかなか重みのある好物件。

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ドアも付いている。
こどもの頃に見ていたらまず間違いなく
閉じ込められる夢を見たと思うな、姫でもないのに。

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by miracle-mule | 2009-03-21 01:53 | 街のバロック

新着案内/日溜まりの猫

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ジェブ・ロイ・ニコルズ/デイズ・アー・マイティ
Jeb Loy Nichols / Days Are Mighty

ひとなつこいぬくぬくした日溜まりの猫のみたいなメロディと声。
狐の嫁入りくらいに微妙に明るいバンドの音。
JTから洗練を少し差し引いて
カーティスから緊張感を
マーヴィンから重苦しさをあく抜きして
カントリーを適宜加え
幾分だらしなく炊き上げると出来上がり、かな。
引き算の極みのシンプルな音作りでこの心地良さ。
ジェブ・ロイのさりげない小さな大発明です。
ふわふわと猫の見る夢に滑り込めそう。

彼のシンガーソング・ウッドカッター(SSW) ぶりはこちらで詳しく
濃いめの顔と薄い歌声 はこっち
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by miracle-mule | 2009-03-17 02:39 | 新着CD

愛のしるし

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スピッツ/花鳥風月

年に一度は無性にスピッツを聴きたくなる時期があって
今がその時。
ポリスだったりストーンズだったりする音は美味しいし
詩の跳躍力には素直に見とれて(聞き惚れて)しまう。
声も曲もホントに良いなあ。
これは裏ベスト的作品で代表作ではないけれど
大好きな”愛のしるし”が入っているので
スピッツのシーズン解禁はいつもこれから。
マサムネ君は短歌を詠んだりしないかな。
良い歌人になると思うがなあ、
草野マサムネ情愛歌集”白鳥に乗って”(仮題)が出たら必ず買います。

こんなに楽しげに使ってくれたらマーク・ボランも本望でしょ。
これが”愛のしるし”
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by miracle-mule | 2009-03-13 02:27 | アーカイヴス

新着案内/m君の壁

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m. ウォード/ホールド・タイム
m. ward / Hold Time

たゆたいながら光を反射する海面を
仰向けになって海底に向かいゆっくり下降しながら
眺めている。
次いで視点が入れ替わり
こちらを見つめながら沈んでいく自分を海面から見送る。
M.ウォードを聴くのは
こんなイメージを積み重ね反芻することでもあるのだけれど
いつもの限りなくモノクロームに近い世界が今回はいつになくカラフル。
おぼろなヴォーカルを載せたくっきりしたメロディ
ロイ・ウッドものけぞるm版ウォール・オブ・サウンドがヴィヴィッドな5,6,8,
掠れ声の裏側に生への強い執着を隠したルシンダ・ウィリアムスとの
ベクトル逆向きのデュエットがちょっとミスマッチな10など
らしからぬ「浮上」への意思も垣間見え
宇宙の暗黒へ落下していくトム少佐の姿(スペイス・オディティ)さえ
頭を掠めるm君の新境地です。
みんないい曲でとてもうれしい。

おぼろなタイトル・トラックのpvはほとんど懐かしい未来
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by miracle-mule | 2009-03-10 02:23 | 新着CD

ジャズ・ノット・ジャジー

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ライ・クーダー/ジャズ
Ry Cooder / Jazz

たとえば、30年代が終わるころにはすでに時代遅れになりかけていたという
ジェリー・ロール・モートンのジャズ。
ポピュラー音楽にはもっと別の発展の仕方もあったんじゃないか。
そうだったら自分たちはモートンのような音楽の果実を
もっとたくさん収穫できたかもしれない。
ジャズという言葉がまだまだその周辺に
様々な伝承歌や怪しげな素性の音楽を含んでいた
19世紀末から20世紀前半に遡り
現実にはありえなかったもうひとつの進化の過程を
創造的に辿って育てて刈り取った
大胆で優雅なオルタナティヴなジャズ(大衆音楽)の収穫祭。
アルバム中央に置かれた二十年代の夭折のコルネット奏者
ビックス・ベイダーベック三作品の繊細さには不思議な浮遊感があって
足下が危うくなる感じ。
バハマのギタリスト、ジョセフ・スペンスによって
ほんのりクリオール風味が加えられた三曲のトラディショナルは
シンバロン(ハンマー・ダルシマー)が高らかかつメタリックに響き
ベースラインをチューバが担って一層鄙びておおらか。
音楽の豊かさそのものを味わい愛でるには絶好の1978年の一枚です。

収録作ではないけれどこれもまた格別に豊潤な演奏
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by miracle-mule | 2009-03-06 01:57 | アーカイヴス

ある雨の情景

...なんてちょっとおおげさ。
雨に濡れると見慣れたものも普段と違った表情を見せることがあって
雨が苦手な自分にはそのあたりが雨ふりの日の慰め。
はまゆうの花と松と駿河湾の向こうには愛鷹山そして富士山。
月並みでべたな当地のマンホールの蓋も
水たまりに沈むとそれなりに風情が
...なんてちょっと地元贔屓。

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by miracle-mule | 2009-03-03 02:51 | 街のバロック