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幻惑されました

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レッド・ツエッペリン/レッド・ツェッペリンⅠ
Led Zeppelin / Led Zeppelin Ⅰ

夢中で聴いている。
山頂の濃霧の中で見る幻影のような”ゴナ・リーヴ・ユー”、
大渦巻きメエルシュトレエムみたいに圧倒的なボリュームのブルース・ナンバー”ユー・シュック・ミー”、
産毛もそそり立つ” 幻惑されて ”、
時間の流れが歪みそうなトラディショナル”ブラック・マウンテン・サイド”に飲み込まれる快と不快。
コーエン兄弟のカルト・フィルム”バートン・フィンク”にあった
リンパ液滴る呼吸する肉の壁に圧迫される怖気と快感の入り混じったあの感じ。
乳幼児というのは心理学的には性的に未分化な倒錯的存在なのだというけれど
そのあたりそっくり温存したまま成人してしまったかの如きギタリストが
無垢なアポロン的ヴォーカリストを得て描き出した
満たされつつもおののいている胎児の夢のような作品です。
比較的新しい音楽であるはずのブルースやトラディショナルが保存している遠い微かな記憶。
男女の性が入れ替わり、人と獣の境さえなく
死が生を送り出し、生が死を迎え入れる始まりの場所である神話の世界。
ブルースやトラディショナルに埋め込まれたそんな記憶を拾い集め
臨界まで培養してスクリーンに映し出した世界一大きな音のシネラマ。
大音量で久々にロック少年に還って本人はいたっていい気持ち。
周りのことは...知らない。
世界で二番目に売れたバンドの69年のデビュー・アルバムです。

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ウェルカム初来日のミュージック・ライフ71年10月号です。
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by miracle-mule | 2009-05-31 00:19 | 新着CD

Bow Wow Wow のカセット・テープ

新メニューです。
自慢したいけど誰も感心してくれない
ほとんど自分にしか価値がない
宝物とも言えない宝物たちのご紹介。

ニューウェイヴの徒花Bow Wow Wow1981年のカセット・シングル"W.O.R.K"と8曲入り"Your Cassette Pet"。
メディアとしてのカセットが何故か新鮮だった時代の遺物。
"Pet"の方は聞いた形跡がないどころか未開封。何処が宝物?
でもカセットって今見るとちょいとカワイくないかい。

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by miracle-mule | 2009-05-27 01:37 | 俺様くんの宝石さ

川ベリで待つ

日傘を差した夏目雅子、
でなければ武田百合子がやって来そうな土曜日の狩野川の土手。

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by miracle-mule | 2009-05-26 01:03 | 街のバロック

屋根裏遊覧日記

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Tボーン・バーネット/トゥルー・ファルス・アイデンティティ
T Bone Burnett / The True False Identity

ゾンビ、モージョ、ヘル、テキサス、バグダッド、フィア・カントリー、ザイオン(エルサレム)メッカなどなど
今回もおどろなアイテムを取り揃えて異教の儀式を覗き見るようなアトラクション、主人公の不健全な行いの追体験に聴き手を誘う。
異教を異教にするのはその教義でもなければ祭祀でもなく
それを覗き見る行為の中にあり、窃視者の興奮や陶酔の中にある。
と仮定するとこのダークなアトラクションの主人公にTボーンほどふさわしい人もいない。
トム・ウェイツは汚過ぎ、ジョー・ヘンリーでは善人に過ぎる。
聴き手はTボーンの視点を借りて屋根裏遊覧の旅に出る。
彼がこのためにしつらえたのはメロディをできる限り節約し
徹底してリズム・トラックにこだわったパーカッシヴな音楽だった。
ダブのように床を這うベースをひしゃげた音色のドラム、出自の定かでないパーカッション、打楽器の如きギターが分節して行く隙き間に
不意に顔を出すメロディが乾いた舌にたまらなく甘い。
その甘みに深く酔いつつも次のリズムの渦に巻き込まれるのを心待ちにしている自分がいる。
ここで我々は心というものがメロディの甘みを求めるのと同じ強さで
厭うてもいるらしいということに思い当たる。
メロディに埋め尽くされると時として流れは淀んでしまう。
さらに一見仲睦まじく見えるメロディとリズムではあるけれど
実のところメロディはリズムのくびきから、リズムはメロディの呪縛から
解き放たれたいという欲望を互いに隠し持っているのじゃないか
という疑いも頭を掠めるTボーン06年の傑作。

09”ベイビー・ドンチュー・セイ・ユー・ラヴ・ミー”は何故か陽水の”誘惑”にうりふたつ。
01のZombie Landのベースラインも”リバーサイド・ホテル”を思わせる。
このふたり、ぬめり具合もちょっと似ていていつか一緒に仕事をしてくれないものかと..密かに願っている。

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"Earlier Baghdad" は 緋色の匂い。
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by miracle-mule | 2009-05-22 00:16 | 新着CD

もうすこし待ってて

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ルイス・フューレイのコンサート・グッズのお礼を何にしようか悩んでいたのだけれど
ようやくいいものが見つかった。
先日まで伊豆の国市のギャラリーnoirで開かれていた関 昌生展でみつけた
針金細工の立方体。
背景を白くすると半透明のオブジェに見える。
細い影まで作品の構成要素になっているところもおもしろい。
喜んでもらえるといいけど、箱詰めして郵送するまでがまた、
ものぐさな自分には苦難の道のり。

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それにしてもnoirさんの企画はいつもすばらしい。
時間の階段に踊り場というものがあるとしたらここはそこをモデルにしたような場所です。

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by miracle-mule | 2009-05-18 01:22 | day after day

新着案内/ブルー、ブルー、エレクトリック・ブルー!

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ブライアン・イーノ/ヒア・カム・ザ・ウォーム・ジェッツ
Brian Eno / Here Come the Warm Jets

というのはプロデューサーのイーノに捧げたかのような
ボウイの名曲”サウンド・アンド・ヴィジョン”の一節。
かつて美は痙攣的なものだと言ったのはアンドレ・ブルトンだった...っけ?
けっこう同意しちゃいます。
ブライアン・フェリーとブライアン・イーノ。
70年代、ふたりの痙攣マイスターを擁したロクシー・ミュージックという
実に痙攣的なグループがありました。
同じ痙攣ものとはいえふたりのタイプには大きな相違があって
スクリーンに映し出されるフィルムの粒子の明滅に
自分の存在をなぞらえたフェリーに対して
イーノの関心はもっぱら
ぶるぶる震える線香花火みたいに帯電した音像作りと
そうした音像をレゴのように組み合わせ「音楽のようなもの」を作って
音楽の領域を押し拡げることにあったようです。
これは虫眼鏡で拡大されたブラウン管の色鮮やかなドットを撒き散らしたかの如きロクシー離脱後のソロ第一作。
トリートメントされたギターの音色が異様に心地良い09の終盤から鳴り始める教会の鐘ともガムランのゴングともとれる音に導かれ
次第に厚みを増していくイーノ版”チューブラー・ベルズ”、”ヒア・カム・ザ・ウォーム・ジェッツ”の発光するサウンドの奔流に押し流されて行く恍惚と不安。
08は一悶着あった フェリーへのあてこすりソング
なんとフェリーさんのモノマネ付きです。

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これはジャケットがちょっと似てる気がするグレン・グールドの
ヘンデル”ハープシコード組曲”
..やっぱり似てないかも..
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by miracle-mule | 2009-05-14 01:41 | 新着CD

腐葉土の香り

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ライトニン・ホプキンス/ダブル・ブルース
Lightnin' Hopkins / Double Blues

ライトニンの太いギターの音色と潮焼けした渋い喉には
メルロー種の葡萄でつくった赤ワインのような
腐葉土じみた香りとまろやかな甘みがある。
しかもライトニンのマリア様は西アフリカからやって来たサンテリア系の神様の顔を併せ持っているようで
落ち着いた語り口の向こう側には僕たちのひ弱な力では受け止めきれない
黒々とした生命力が深い海のようにうねっている。
カルトーラの”自分をさがして”しかり
コンパイ・セグンドの”チャン・チャン”しかり。
本物の黒さは穏やかさと蜜の甘みの内側から豊かな生命力の輝きを
受け止めきれない者には悪魔的とさえ思える強度で放っている。
腐葉土は死と再生の香りかな。
気のいいおじさんが日向ぼっこしながら気持ち良さげに
一節唸ってるだけと言えばそうも言えるけど。

本作は64年”ダウン・ホーム・ブルース”と”ソウル・ブルース”の
二枚を収録した2 on 1のお得盤。

こちらはリンチ映画キャラクターみたいなライトニン。いったい何を着てるんだかこの人は。とても悪魔的。
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by miracle-mule | 2009-05-10 00:30 | アーカイヴス

男子の絵本 その5

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くまとやまねこ
湯本香樹実 ぶん、酒井駒子 え

酒井さんの絵はおしゃべりな僕に
言葉少ないことがどれだけ多くを語るものかということを伝え
静寂の音を聴かせてくれる。

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「くまとやまねこ音楽団」、 ドン・ペリス みたいな音だろうか。
それともベイルートみたいな..

駒子さんこんな仕事も。
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by miracle-mule | 2009-05-06 03:49 | 本の棚♦♦棚の本

新着案内/深い井戸

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ヴェティヴァー/タイト・ニット
Vetiver / Tight Knit

強烈なエゴや歪みを創造の動力にするのではなく
自身の内部の乾きを癒し空洞を埋めるために
ひたすら美しい楽曲とそれにふさわしい音を作り続ける、
そんな風に思えて仕方ないタイプの音楽家というのが確かにいる。
音楽という供物を求める井戸は貪欲で
音楽家が次々に曲を投げ込んでも満たされることを知らず
空洞は埋まるどころか次第に深さを増して
さらに美しい供物を要求します。
このユニットの要、アンディ・キャビックも、
ひと際深い井戸を心の内に抱え込み
終わりの無い井戸との対話を通してメチエを磨き
最上級の作品を生み出し続けているパディ・マカルーン(プリファブ・スプラウト)の系譜に連なる音楽家に違いない。
ドラマティックなマカルーンのスタイルに比べると
ドラマの筋や展開を離れて印象的なシークエンスを積み重ねる手法が
強く今を感じさせます。
80年代が強く香る03と07、ロクシーの”マザー・オブ・パール”似の10が特別にお気に入り。

個々の楽曲についてはsummerbreeze1さんのブログがとても参考になります。
年間通してベストアルバム選び!(気取らないのが魅力のフォーク・ロック・バンド..)をご覧下さい。
(新しい傾向の音楽に関するものとしては最高のブログだと思います)

ちょっと音圧低めですが03の”エヴリデイ”をどうぞ。

アルバム・カヴァーは星座表と森を組み合わせたもので
星空と摩天楼を合わせたプリファブの”アンドロメダ・ハイツ”と対を成すよう。

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黒プリファブ、白ヴェティヴァー。
CDのレーベル面はどちらも星座表になっています。
偶然かな?。

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by miracle-mule | 2009-05-02 22:55 | 新着CD