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ナイト&デイ

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Dr.バザーズ・オリジナル・サヴァンナ・バンド/Dr.バザーズ・オリジナル・サヴァンナ・バンド
Dr. Buzzard's Original Savannah Band / Dr. Buzzard's Original Savannah Band

思い切りジャジーなのにジャズじゃなくて
真新しいの懐かしくて
キッチュなのにヒップで
クールなのに人なつこくて
エレガントなのに野趣に富んでいて
賑やかなのにどこかのどかで
夜の音楽なのに日向のにおいがして
とびきり都会的できらびやかな姿の向こう側に
かつての裸足のクレオールの少年少女
 ストーニー・ブロウダー・Jr(バンド・リーダー、作曲、ヴォーカル)
 オーガスト・ダーネル(後のキッド・クリオール、作詞、ヴォーカル)
 コリー・デイ(リード・ヴォーカル)
面影が透けて見える。
これはそんなサヴァンナ・バンドの一番ビッグ・バンドなデビュー作。
 とある一夜
 コール・ポーターもガーシュインも
 フィッツジェラルドもゼルダも
 デズモンドもモリーも
 ロリータもゲルニカも
 スフィンクスもモナリザも
 みんなサヴァンナで踊り明かした
              (ストランド氏の回想より)
ゴージャスなアレンジはストーニーとチャーリー・キャレロ!

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前の世紀の76年、出てすぐにトノバンがオールナイト・ニッポンで教えてくれた逸品。
以来33年間(エッ!?)ずーっと好き。
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by miracle-mule | 2009-09-29 01:59 | アーカイヴス

weekend books のイベント

連れあいのやっている古本屋weekend booksのイヴェント
”weekend bookstore vol.5"が今日から日曜までの三日間
atelier-fにて開催されるのでその宣伝、へへっ内助の功です。
準備を手伝いもせず死んだ振りなどしながら
横目でじっと盗み見してこれはっと思った
男子もいける掘り出し物を紹介しますね。

まずは版画家山本容子の世界。

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これも容子さんのファウスト。テキストは池内紀(おさむ)。
なんと豪華な組み合わせ。至福のマリアージュに酔えって感じ。

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次は多才な元工作少年、いま大学先生の森博嗣の
”猫の建築家”宮沢賢治の”猫の事務所”に所属していてその後独立したものか。関係が気になります。ノスタルジックな佐久間真人の絵がまた...

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これは安野光雅の秘密めいた世界。ぐぐっと潜り込んでしばらくあちらで暮らせたら楽しかろうなあ。もう少し若かったら、ねぇ。

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で、言わずもがなの庄司薫。
金井美恵子も良いけれど薫くんも忘れずに。

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他にも男子たるもの敬意を持って一度は読んでおきたい絵本も多数。
諸兄、乙女にばかり良い思いをさせておく手はない
と、僕は思います、いやほんと。
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by miracle-mule | 2009-09-25 03:03 | day after day

箱、函、匣

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やっと届いてこれが二晩め。
いっぱいに詰まっているCDたちを箱から取り出すために
匣の底からリボンが生えているのだけれど
よっ、と引いたらするり、と抜けた..
ファースト・コンタクトでいきなり傷ものだぁ。
米国製って..。
気を取り直して”アビイ・ロード”を聴いてみる。
音がつやつやだあ。
ポールのベースが倍唸ってる。
ジョンのヴォーカルの不安定なところまでくっきりしていて生身な感じ。
前のUK盤が素焼きの壷なら
こちらはウェッジウッドのカフェオレ・ボウルといった感じ。
特に”アイ・ウォント・ユー”は腰が抜けそうに凄い。
よく似た別の曲みたいな印象。
”サージェント・ペパーズ”は”グッド・モーニング..”の
ペットたちの声(ペット・サウンズ..)が美声になって耳元で歌うようでびっくり。
正直それほど好きな作品ではなかっんだけど
これなら前よりずっと好きになれそうです。
こちらが李朝白磁なら前のUK盤は縄文土器だな。
だいたいボーっと聴いていて今回もそれは変わらないのだけど
耳がブンって持ってかれちゃうのはジョンの曲、ジョンの声が圧倒的に多いみたい。
とにかくジョンを魅力的に聴かせることが
スタッフの一番の願いだったんじゃないかと穿った見方をしてしまいそう。
それともこちらがそう聴きたがってるだけかしら。
さあ、のんびり聴いてこ。

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ちょっと不機嫌そうなポールの顔、吉田秋生の絵そっくりだ。
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by miracle-mule | 2009-09-25 01:21 | day after day

新着案内/再会の時

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クリス・コワンコ/スペル
Chris Kowanko / Spell

出ない出ないと何年も待ちくたびれて
すっかり諦めていたクリス・コワンコの第二作が
2001年に聞いたこともないマイナー・レーベルからひっそりと出ていた。
一作目から9年、自らの脆さを特に克服したりもせず
それも自分の一部なのだと弱さを弱さのままに受け入れているかのよう。
それもまた成熟。
無垢な声の響きに変わるところはないけれど
歌いぶりは抑制が効き曲調はバラエティに富んで
もう孤独を直接ぶつけてこちらの胸を押しつぶすことはない。
ギター中心の前作から一転
メロトロンやアコーディオンをはじめとするキーボード類をを大胆に使った効果もあって
孤独は煮つめられることなく撹拌、拡散され塵状になって
やがて聴き手の肩に静かに積もる。
肩に積もったものの重さに気付いたとき
彼の音楽と思索の深まりと九年の時の重みをあらためて思う。

ルー・リード”スウィート・ジェーン”からいただいたと思しき
ベース・ラインが楽しい”モニュメント”
メロトロンの夢幻的な美しさが存分に味わえる”ネット””クライ・アンクル”など
演奏も聴き所が満載。
プロデュースはニルヴァーナでおなじみののスティーヴ・フィスク。
試聴はこちら
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by miracle-mule | 2009-09-22 03:10 | 新着CD

弟というよりは息子なんだけど

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テレビはあまり見ない方だけれどもドラマ”野ブタ。をプロデュース”は大好きで
連れあいと毎週楽しみにしていたものだった。
先の記事に「修二と彰」と書いたらば
もう”青春アミーゴ”が聴きたくてしかたがない。
が、好きな割にCDを持っていないお粗末でYou Tubeのお世話になる。
亀ちゃん、顔も体型もしぐさもどこか若い頃のミックに似ていてとても可愛い。
山下君(山Pとは流石に恥ずかしくて書けない)の歌は色っぽくて
曲さえ粒が揃っていたらアルバムで聴きたいくらい。
なんてキャーキャーとザッピングしているうちに
大変なものを見つけてしまった。
トラボルタからマイケルまで、見たような振りの寄せ集めなんだけど
真摯に取り組む姿がたまらなく可笑しい。
まあ何にしても真剣が一番ということで。

(倒れた信号機の写真はただの賑やかしで本文の内容とは無関係です)
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by miracle-mule | 2009-09-19 02:08 | day after day

ウォールフラワー

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クリス・コワンコ/コワンコ
Chris kowanko / Kowanko

初めてニール・ヤングの声を聴いた時のスティヴン・スティルスもそう思ったろうか。
修が享(アキラ)を見捨てられないように(傷だらけの天使/”野ブタ。の修二と彰ではない)
ジャック・ワイルドがマーク・レスターを守らずにいられなかったように(小さな恋のメロディ)
世の中には面倒を見させてほしい!と思わずにおられない弟タイプの男というのがいるものだけれど
同様にそう思わせる「弟声」というのも稀にある。
ついに弟を持つことのなかった弟たちが陥りがちな兄気質/スティルス、修、ジャック的なものの中にひっそりとあるゲイ成分を刺激し増幅する危うい声。
クリス・コワンコのその声はルー・リードの”コニーアイランド・ベイビー”とよく似たギターの響きに導かれて現れ歌い出す。
やはりルー・リードさらにはニール・ヤングを思わせる
不安定で儚げな声質と強烈な孤独感を滲ませた歌いぶりに
胃のあたりがギュっとなる。
世の中にも自己にもうまく馴染まない自分というピースへの苛立ちと哀しみを
画布にぶつけたような自画像も
人を遠のけまた強く惹き付ける彼の世界を露にして鮮烈。

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ギターの絡みを中心に据えた簡潔で硬質で叙情的な音作りは
パティ・スミス・グループのレニー・ケイ。
名曲”ウォールフラワー””ヴィジランテ”を含むクリス・コワンコ
92年のデビュー作です。
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by miracle-mule | 2009-09-18 02:37 | アーカイヴス

ゆっくり「ポンピイ」と唱える

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こどもも大きくなると(娘、中一)こちらからじゃれついてみても
殆ど相手にしてくれず断然退屈である。
ポン吉、ポン太、ポンチ、ポンチーズと
出世魚のように豊富な源氏名を授けてあげたにもかかわらず
いつからか呼んでも返事をしないばかりか
憐れむような顔で「ふっ」などと言うのである。
そんな経緯を踏まえ、源氏名で呼ぶのはとうにやめてしまったのだが
ここへ来て稲垣足穂の短編”チョコレット”の中に
ポンピイという主人公の名を見つけてしまった。
誰もいない場所で、はっきりゆっくり「ポンピイ」と唱えてみる。
幼稚な響きに幼かった頃の姿がいくらか甦る。
間抜けな呼び名をつけたことで
最近の邪険さにぽっちり仕返ししてやった気分も味わえ
なんだかスキップしたい気分である。
さらにもう二度ばかり繰り返すと
こども云々を離れてなんともゆったりとした心持ちになって
染み付いたこころの憂さもはがれ落ちるような気がしてくる。
言葉の音(おん)の持つ呪力というものの作用であらうか。
学生時代ちんぷんかんぷんだった足穂の世界。
今でも分からないとこだらけだけれども
いろいろとよく効きます。
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by miracle-mule | 2009-09-14 02:37 | day after day

ブルー・ロンド・ア・ラ・タークの”ミー・アンド・Mr. サンチェス”

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80年代初頭イギリスでちょっぴり盛り上がったファンカラティーナ・ムーヴメントで一等のお気に入り、ブルー・ロンド・ア・ラ・タークの記念すべきというほどではないかもしれないけれどもなんとか記念してあげたいデビュー30センチ・シングルです。
イラストのズート・スーツがまんまキッド・クリオールなのがまず微笑ましい。
この時代の例に漏れずアルバムを一枚作るチカラは欠いていても、シングルの弾ける魅力はどれもピカいちで、ケレン味のなさとケレンそのものがめまぐるしく交錯する様はエキサイティングかつスリリング。
ラテン(フェイクもいいとこだけど)を看板にしてはいても最近になって初めて見た動画(これは二枚目のシングルだったかな)からするとスペシャルズやマッドネスあたりと変わらないワルそうな出自がうかがえてどこか納得。
後日マット・ビアンコになった連中よりも90年頃だったかMEN'S・BIGIのモデルをやったのを最後に消息の知れないクリス・サリヴァンがまだ届かないビートルズ・ボックス同様気にかかる。
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by miracle-mule | 2009-09-11 02:20 | 俺様くんの宝石さ

ボックス奇譚

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なんだか鮎漁みたいだけどビートルズの新しいボックス、
いよいよ本日解禁ですね。
いつにも増して貧乏な今月、見送るつもりでいたのだけれど
一部での売り切れ表示に良識の鎖も弾け飛びあわててオーダー。
またまた甘い誘惑に屈したのだが勝手にニヤニヤして来るのは何故かしら。
早く来ないっかな〜。
時の過ぎ行くのをじっと待っています。

で、写真がビートルズではなくザ・バンドのものなのはどうしてかと言えば
心配の種がひとつ。
自分の場合、ボックスは買っても聴かないというジンクスというか習慣の
好いというか悪しきというかとにかくそういうひとつの例なのだ。
全六枚の最初の一枚を一度聴いたきりあとは手つかずではや数年。
ボックスって買った時点でひと仕事やり終えた気がしてしまうし
とにかく盤を取り出すのが面倒くさい。
聴くより所有に重点がおかれてしまいがちです。
ザ・バンドといえば人生で一等回数を聴いた”南十字星”を作った人たちで
大好きな彼らをしてこの有り様。
そう言えばジャケットも影が薄いと言うか影しか見えない。
グレン・グールドの何枚組だかのレーザーなどは
最初の一枚しか観ないうちにDVDの時代になってしまった。
”Xファイル”のVHSのセットに至っては...。
世間のひとたちは買ってお終いでなく
ちゃんと聴いているのか実を言えばちょっと怪しんでいる。
真偽のほどをとても知りたい。
ビートルズはボックスの殻を打ち破れるか。
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by miracle-mule | 2009-09-09 02:24 | day after day

新着案内/マリアージュの驚き

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エルヴィス・コステロ/シークレット・プロフェイン&シュガーケイン
Elvis Costello / Secret, Profane & Sugarcane

コステロの歌声を鼻持ちならないと感じるようになったのはいつ頃のことだったか。
大好きだった泣き節も度が過ぎれば暑苦しく思うばかり。
せっかくのバカラックとのコラボレーションもそれ故あまり楽しめず
もっとあっさり歌えないものか、
いやいっそ他に歌手を立ててくれればなあなどと思いつつ
すっかり疎遠になっていた。
一方トラディショナル〜カントリー系の音楽はというと
音楽の癖が強すぎるのかはたまた浸透圧が高すぎるのか
ウイリー・ネルソンのような人を除きたいていの歌声が
脂気を抜かれパサついて痩せた鶏みたいに色気を欠いて聴こえるのだった。
口腔の肉汁のくどさを赤ワインのタンニンがくるむ時
えも言われぬ快感が生まれるように
和紙が天ぷらの油を逃がして衣の鮮度を際立たせるように
ここでは 濃くなり過ぎたコステロ の歌声と
際立った歌声を求めていたトラディショナル〜カントリー音楽が
共に自らを薄めること無く巧みに互いを引き立て合って美味なことこの上ない。
この幸福なマリアージュ。
バックの絶妙なこしらえはまたまた匙加減の達人、T ボーン・バーネットそのひとでありました。
でもやっぱり昔の声が好きで
”アリソン”や”シップビルディング”を引っ張り出しては
うーうー唸ったりもしているのだった。
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by miracle-mule | 2009-09-05 21:47 | 新着CD