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ブレル・マニア

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ベルギー出身のシャンソン歌手というよりシンガー・ソングライター
ジャック・ブレルには”行かないで””そよ風のバラード””マチルダ””ジョジョ”など
名曲がざくざくあるけれど
ついているファン=ブレル・マニアたちがまた凄い。

アムステルダム
ブレルをはじめて知ったのはボウイのシングル”愛の哀しみ”のこのB面だった。
12弦ギターが印象的なこのテイクはボウイの数多い名唱の中でも飛び抜けて魅力的。
”マイ・デス”も採り上げていてこれまたとても..

ジャッキー
世代的にボウイ’ズ・チルドレンにあたるマーク・アーモンドも
ブレルのカヴァー・アルバムまで出した熱心なファン。
こういうアプローチもありなのねと驚かされる。

行かないで
真打ちは最近ボウイのプロデュースした映画”30世紀の男”で話題再燃のスコット・ウォーカー。
アイドルとして絶大な人気を博していた67年(日本ではルック・チョコレートのポスターがもの凄い人気)
大事なソロデビュー作で三曲ものブレル作品を採り上げ
その後”シングス・ジャック・ブレル”なるアルバムまで作っている。
ボウイはこのひと経由でブレルに辿り着いたのかもしれない。
デビューの頃のボウイ、当時のスコットそっくりさんだし。
朗々とした歌いぶりが時代の好みとずれてしまったのか
表舞台から姿を消して久しいスコットだけれど
成した仕事に相応しい評価がされるよう望みます。
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by miracle-mule | 2009-11-28 13:25 | ノート

新着案内/音楽の囚われ人

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プリファブ・スプラウト / レッツ・チェンジ・ザ・ワールド・ウィズ・ミュージック
Prefab Sprout / Let's Change the World with Music

プリファブ・スプラウトの音楽は
甘いと云えばとてつもなく甘いし
感傷的と云えばこの上なく感傷的ではあるけれど
向こう側に漆黒が透けて見えるような
冷たく澄んだ空気の中で仰ぎ見る満天の星空の
ぞっとするような美しさを併せ持っていて
そこが他に比べるもののない抗い難い魅力というか魔力。

今作は01から03あたりサウンドを織り上げる糸がいつもより幾分太く
馴染むのに時間がかかったとはいえ
05"Music is a Princess "以降の旋律の圧倒的な美しさを前にしてはただ立ち尽くすより他なく
すすんでプリファブ・スプラウトの入り口はあっても出口のない世界に幽閉されてしまうのだった。

パディ・マカルーンの音楽をあまりセクシャルに受け止めたくはないけれど
彼の発する音としての英語は
単語の頭から終いまで手を抜かずしっかり発音しているにもかかわらず
重くならずしっとりとなめらかで
ゆっくりなぞる指先のようになまめかしい。
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by miracle-mule | 2009-11-24 01:52 | 新着CD

優しい時間/カフェ・イン・ザ・ウッズ

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焼き菓子のつくづくおいしい"JUN kobo Sweets ”さんが11月にオープンしたばかりの木立の中のJUN kobo cafeに初めておじゃましました。
御殿場高原のきりっと冷えた空気の中店主さんがいつもの笑顔でお出迎え。
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ため息の出るような借景と
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この洋梨のタルト。
JUN koboのお菓子をお持ち帰りじゃなくてその場でコーヒーといっしょにいただくという野望がやっと叶っていやほんとにうれしい。
渋滞中に始まった腰痛も吹き飛びました。
きりっとした苦みの中にふっとよぎるような甘みのあるコーヒーが
うまいんだ、これがまた。
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木金土の営業です。ごちそうさま。
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by miracle-mule | 2009-11-22 01:23 | day after day

セイラーの歌心

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セイラー / トラブル
Sailor / Trouble

75年のセカンド・アルバム。
世界を股にかけた冒険と犯罪と男と女の物語を
どこを切っても魅惑的なメロディと
歌心に溢れた歌声とコーラス、
郷愁を掻き立てる(リーダーのゲオルグ・カハナスの考案した複合鍵盤楽器)
「ニッケル・オデオン」の音色と
たたみかける目の回るような展開とアレンジで描いた
セイラー畢生の名作劇場、ザッツ・エンターテインメント。
70年代中期ロックの最高傑作、と言いたいところだけれど
形の上から云えばロック的なるものからとことん遠い
それらしさを殆ど削り落とした作品で
ロックと発語するのが気恥ずかしくて仕方のなかった僕たちが
小躍りするような「当時のオルタナティヴ」なのだった。
使用楽器をざっと並べてみるだけでも感じが伝わるかもしれない。
12弦ギター、チャランゴ(フォルクローレで使われるウクレレ似のマンドリンのような複弦楽器)
ハープ、アコーディオン、ピアノ、マリンバ
ギタロン、ベース(主にシンセで代用、効果的)
ドラムス、パーカション
そしてリード楽器のニッケルオデオン。
三味線でいうサワリみたいなノイズを多用して
観光地みやげのような道具立てに血を通わせる
文句のつけようのないプロダクションは
”ワイド・スクリーン”のルパート・ホームズとジェフリー・レッサー。
ハーパース・ビザール、10cc、キッド・クリオール
加藤和彦好きの方お薦めします。

Girls Girls Girls
Glass of Champagne
Jacaranda
The Old Nickelodeon Sound
Panama
これら以外もみんないい歌全十曲。
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by miracle-mule | 2009-11-19 01:15 | アーカイヴス

現場レポート「古本とケーキとお茶Ⅱ」の2

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アップル・パイをはじめとして飛ぶように売れて行くirodori さんのケーキ。
果たして自分たち分は確保できるのか
横目で見ながら気が気ではない盛況です。
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今日のみの臨時ブースは
miracle-muleによる加藤和彦追悼のミニ・コーナー(上)。
コンピレーション今日はけっこう貰い手多し。
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ミニ・コーナー(下)
金子國義や澁澤龍彦の話でも盛り上がるなんてめずらしい。
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irodoriさんには畳もあれば
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多肉ちゃんもいる。庭には猫までいる。
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写真が異常に美しいクロニクル・ブックスのスムージーとシャンパーニュの本。
特にシャンパーニュの方は絵画みたい。
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ポップなフランスの貝ボタン。
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玄関の夕景。

河口湖からは親友が岩波ホールからの帰りに遠回りして寄ってくれたし
東京からは若い友人夫妻(初対面でもう友だち気取りです)が遠路来てくださったし
パンプキン・プリンにも無事ありつけたし
weekend books機動部移送課荷役係係長補佐代理OBとしてはもう大満足。
三日めも無事に暮れて行ったのだった。
イヴェントは水曜まで続きます。
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by miracle-mule | 2009-11-15 22:21 | day after day

現場レポート「古本とケーキとお茶Ⅱ」

11月13日から伊豆仁田のカフェirodori で始まった
weekend books のイヴェント「古本とケーキとお茶Ⅱ」の
二日めの模様をレポートします。
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絵本
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絵本
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よるくま
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文学
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文学
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向田邦子の恋文
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花の妖精たち。今回一番の目玉ですね。
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昔集めていたフェアリー・カード(森永ハイクラウン・チョコレートについていましたね)、どこへ行ってしまったのでしょう。
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個人的には売れ残ってほしい(残ったら僕が買いたい)クラフト・エヴィング商會関連本。
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エクスリブリス(蔵書票)。額装して飾ったりメッセージ・カードにしたり、本来の用途以外にもいろいろ使えそうです。デザインも色のとてもきれい。現代のフェアリー・カードといった感じ。
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これは自分の。店番の合間に読んでいたのだけれどおもしろい。
中野翠さん鋭い。

引き続き15日も加藤和彦のコンピレーション配布いたします。
お越し下さい。
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by miracle-mule | 2009-11-14 22:18 | day after day

優しい夜の過ごし方ー加藤和彦の褪せない世界

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あまり語られることのない加藤和彦のソロ作品、
ことに79年の『パパ・ヘミングウェイ』から
91年の『ボレロ・カリフォルニア』に至る
圧倒的な作品群の魅力を少しでも多くの方に知ってもらいたく
コンピレーション『優しい夜の過ごし方』を作りました。

11月13日から伊豆仁田のカフェirodori で始まる
weekend books のイヴェント「古本とケーキとお茶Ⅱ」に相乗りさせてもらい
14日の土曜と15に日の日曜にご希望の方に差し上げます。
是非いらしてお申し出下さい。
数に限りが(かなり)ありますのでお早めに。
これを機会に加藤和彦の世界に親しんでいただけるようになれば幸いです。

さて内容はと申しますれば

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『ボレロ・カリフォルニア』
編曲にニック・デ・カロを起用してふんだんにラテン・リズムを使った本作は
古いハリウッド映画の一場面を切り取ったようなカラフルな歌謡の世界。

”ジャスト・ア・シンフォニー”
カーニバル・サンバの軽快なリズムと
観光地の絵葉書みたいに平べったいストリングスの
不思議な、でも幸福なマリアージュ。
今となっては「夢はいつどこで終わりをつげたの」という出だしに
聴く度に泣かされる。

”三時にウイスキー”
「ウイスキー、ハスキー、運命はリスキー...
 ウイスキー、ハスキー、午后のチャイコフスキー...」
くっきり韻を踏んだことば遊びの背後に潜んだ
恋の駆け引きと人生の綾を膨らませるメロディがとても歌謡的。

”愛のピエロ”
軽やかなカバキーニョの響きに導かれて始まりながら
やがて聴き手の胸をえぐるのは
長谷川きよしにも似合いそうな落日のサンバ・カンソン。

”ピアノ・バー”
思い出されるのはカルロス・ダレッシオの”インディア・ソング”。
遠くで鳴る拍子木のようなクラベスの音の寂しさと遣る瀬なさ。

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『ヴェネツィア』
語られる機会の意外に少ないアルバムだけれど
当然のことながら佳曲がたっぷり詰まっている。

”ハリーズ・バー ”
失ったひととの暮らしをひとり想うハリーズ・バー。
加藤和彦にしてみれば安井かずみを失う数年後の自身のこころ模様を
安井かずみにとっては自分の不在が彼にもたらす風景を
皮肉に先取りしてしまったかのような内容で
彼まで失った今、聴く度に涙腺が緩む。

”ヴェネツィア ”
恋に落ちてさまよう追憶のマスカレード。
こんなデカダンなレゲエ後にも先にも聴いたことがない。

”真夜中のバレリーナ”
シフォンのチュチュって何?連れあいに訊きました。
バレエの必需品なのですね。
ピアノのトレモロ。回転木馬のワルツ。
歌のある”ジュ・トゥ・ヴ ”

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『マルタの鷹』
セールス的に最もふるわなかった作品。
個人的にも馴染むのに時間がかかった加藤和彦的ジャズ。
今現在の愛聴盤。

”ディッセンバー・ソング”
君のにおいはいつもフレンチ・ラヴェンダー。
トランペット、ピアノ、ギターとベース。
ジャズ以上にジャズらしいフェイク・ジャズ・歌謡は
落ち葉の敷き詰められたセントラル・パークの冬景色。
走り去るようなコーダがたまらなく粋で格好良い。

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『あの頃マリー・ローランサン』
都市的短編小説集の洒落た趣きが前面に出ているけれど
抑えの利いた表現ながらビートに捧げる意欲が満ち溢れてとてもダンサブル。
矢野顕子(ピアノ)と坂本龍一(オーケストレーション)の
仕事ぶりがとにかく楽しげ。
幸宏のドラムも最高。

”ニューヨーク・コンフィデンシャル”
密かなラテン風味にウイリー・コローンの幻を見る想い。

”優しい夜の過ごし方”
ワインでは彼女の不在が一層際立つし
ひとりの暮らしにはウイスキー・ソーダがお似合い。

”ラスト・ディスコ”
君のにおいはいつもガーデニア。君の匂い...は安井かずみの好んだフレーズ。
ラヴェンダー、ガーデニア/くちなし、ダフォディル/水仙など
花の名前もお気に入り。

”テレビの海をクルージング”
カリブの風に微かに混じるファンクの香り。
キッド・クリオールのラテン・ファンクにも通じる香り。

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『ベル・エキセントリック』
おそらく偶然も含めてすべての要素が
希有な傑作に向かって押し上げる方向へ作用した
特別に特別な一枚。
一度でもここまで到達してしまった事実は
この後彼を苦しめることがなかったろうか。
あまりにそれ自体で完結した世界故他の作品との親和性を欠くようで
ここでは一曲のみセレクト。

”ロスチャイルド夫人のスキャンダル”
トノバンの用意した舞台でsakamotoの才能が爆発して
自身のどの作品を見渡しても見当たらないようなプレイが乱舞する。
踊るに踊れぬ背徳のワルツ。

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『うたかたのオペラ』
ベルリン録音ということで暗い印象を持っていたけれど
意外に明るいメルヒェンの世界だった。

”ケスラー博士の忙しい週末”
倒れるまで踊りたい
世界で一番典雅なスカ。

”ソフィーのプレリュード”
加藤和彦と佐藤奈々子。
微睡みの王と女王によるいまは亡き女神のためのパヴァーヌ。
または弛緩したレクイエム?。
世界一眠たいデュエット。

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『パパ・ヘミングウェイ』
優雅な二枚の助走期間を経て
安井かずみと加藤和彦の誰も追いつけない止められない
優雅なボニーとクライドみたいな疾走はここから始まった。

”アラウンド・ザ・ワールド”
70年代後半のポスト・パンクのスカ・ムーヴメントにインスパイアされ
イギリスのバンド「セイラー」の楽曲(”ガールズ・ガールズ・ガールズ”)を
下敷きにして出来上がった曲に
”アラウンド・ザ・ワールド”と名付けるセンスがいかにもこのひとらしい。

”ジョージタウン”
30年前にはじめて曲名を見たとき
吉祥寺かと思ったジョージタウン、全然違った。

”メモリーズ”
空と海がひとつに溶け合うところ。
スティール・パンが遠い記憶のように響いては消えていく。
ロクシー・ミュージックのアルバム”アヴァロン”の終章を飾る”タラ”は
ブライアン・フェリーがこの”メモリーズ”のリプライズを手本にしたのだ
と勝手に思っている。
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by miracle-mule | 2009-11-11 01:27 | プレイリスト

記念日

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酔いにまかせて..
いつもお世話になっている伊豆仁田のケーキ・カフェirodoriさんが
フレンチのOPÉRAさんを予約してくださり
17回めの結婚記念日(ホントは明日)に久しぶりに連れあいとふたりでレストランへ。
いきなりirodoriさんからですとシークレットのシャンパーニュが出てきて
もうそれで胸がいっぱい。
さらに眼にも口にもおいしいシェフの料理の数々と
ソムリエでもいらっしゃる奥さんの気持ちのこもったサーヴに
胃も心もすっかり満ちたりて
記憶に残る記念日に。
irodoriさんOPÉRAさんお世話になりました。
こんな日は酒に弱くなり食の細った自分がなんともうらめしい。
無事に20年25年を迎えたいものだけどさあどんなものだろうか。

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by miracle-mule | 2009-11-07 23:56 | day after day

レイモンド・ラブロックの”ガラスの部屋”

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70年代初頭までの洋楽チャートでは
映画の主題歌というのも主役のひとつで
今では想像しにくいけれど
イタリア語やフランス語のヒット曲もめずらしくなかった。
英国人を父親にイタリア人を母親に持つ美男レイモンド・ラブロックは
日本ではフランスのルノー・ベルレーと並ぶアイドルで
映画もヒットしたのだけれど主題歌 はそれ以上の人気を博し(歌ったのはペピーノ・ガリアルディ)
この映画には興味が持てなかった中学二年男子も
シングル盤を買い込んではしつこく聴いて
デタラメなイタリア語で一節唸ったりして楽しんでいたのだった。
♪♪ケ・ヴォレ・ケスタ・ムジカ・スタセーラ〜
あの頃まではヨーロッパ映画が大都市ばかりではなく
地方の小都市の映画館でも上映されていて
ある意味ではヨーロッパは今より近かったような気がする。
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by miracle-mule | 2009-11-04 02:47 | 俺様くんの宝石さ