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miracle-muleリアル版

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weekend books という場もできたことだし
そこで音楽図書館 miracle-mule のリアル版ができないものかと
現在思案中です。
どんな形でやろうか。
迷う迷う。
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by miracle-mule | 2010-08-29 01:49 | ニューズ

シンプリシティ

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デヴィッド・シルヴィアン / マナフォン
David sylvian / Manafon

この八ヶ月聴き続けて2009年のベストはこれに変更することにした。
まずその歌声と歌唱が素晴らしい。
ジャパンの時代からブライアン・フェリー・フォロワーとして
敢えてわざとらしいヴォーカル・スタイルをを崩さずに来た彼だが
幾分声が枯れてきたことも手伝って独自のスタイルとして実に自然に響く。
落ち着きのある、ひとを安堵させるいい声になった。
その声が徹底して脂肪をそぎ落としたメロディ、
メロディがそれとして成り立つ最低限の起伏しか持たされていない
シンプルの極みのようなメロディにのせられている。
ひとつの曲の成分としてのメロディは少なくて済むのなら
より少ない方が良いのじゃないかと近頃思う。
その方がとっつきは悪いけれども奥行きも深みも増すし胃にもたれず飽きがこない。
メロディ・メイカーというのは必ずしも褒め言葉とは限らないのだ。
メロディ作りの職人には生み出し得ないメロディがここにあります。

演奏は決して伴奏として歌に仕えず
コードの拘束からもするりと身をかわす身軽さで
ヴォーカルとまたは楽器同士で対話したり戯れたり。
不意に現れては消える様はラップ現象のようだけれど
身勝手好き勝手な自己主張とは無縁な
洗練を積み重ねた末に生まれたもの。
そんな歌と演奏の組み合わされたこの作品の中で
最も雄弁なのは音と音の距離であり
たっぷり確保された無音の時間かもしれない。
本当に大事なことは僕たちの目からは隠されているものだから。
その「間」と「静寂」は琵琶法師の語りや能、俳句が身近にある日本人には
案外親しみやすいものだと思うのだけどどうだろう。
スコット・ウォーカーの"tilt"と並び立つ大傑作。

Small Metal God
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by miracle-mule | 2010-08-25 23:39 | アーカイヴス

予習

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根が堅い質で昔から試験の前日だけは勉強し
コンサートの前には繰り返しレコードを聴いて予習したもの。
左はルーファス・ウェインライトのライヴ・アルバム”ミルウォーキー・アット・ラスト”のDVD付き。
近年すっかり足が遠のいて10月のルーファスは
へたをすると10年ぶりの外タレ公演になる。
特に意識していたわけでもないのに
いつの間にかこんなものを用意して予習してる。
十八歳の魂米寿までというけどホント。

右はボウイの”ヤング・アメリカンズ”のDVD付き。
特にコンサートがあるわけでもないのに何の予習かといえば
むろん”ステイション・トゥ・ステイション”のデラックス・エディションの発売に備えるためだ。
それはLP二枚、CD四枚、DVD二枚というバカバカしいほど巨大なセットで
不意に攻められれば苦戦は必定。
購入は敵が乗り込んで来る前に手の内を多少でも察知しておかねばならないという戦略上の理由からであって
決して所有欲にかられての行いではないんだなという所
押さえておいてほしいな関係各位の皆々様とうちの奥さん。
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by miracle-mule | 2010-08-21 02:37 | ノート

カエルくん来たる

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ぶり返した猛暑凄まじく近隣の人々皆死に絶えたかのごとしで
weekend books前の通りは動くものとてなく
ただ光の粒が狂ったように乱舞するばかり。
お客さんは影も見えず
通りかかる犬もなく
訪ね来るネコさえいない。
この際山羊でもロバでもロバ似の男でもいいから誰ぞ来ぬものかとぼんやり表を眺めていたら
いつの間にやらカエルくんが来店していた。
暑さがこたえたのかウインドウに張り付いてちいさくなっている。
カエルといえどお客様はお客様。
お店で干からびても困るのでカエル・キャラ好きの店主が霧吹きで濡らして差し上げた。
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ガラスの内側から見ればよくわかるのだが
喉を鳴らして喜んでいる、へこへこ。
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折りたたまれた手足もちょこっとのびてリラックスした模様。
(ホントに背中に模様が浮き出すのだ)
充実したサービスで顧客満足度がまたひとつ高まったwb。
乾いたお客様、霧吹きにたっぷり水を溜めてお持ちしています。
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by miracle-mule | 2010-08-17 17:33 | day after day

男子の絵本 その6

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老夫婦 / ガブリエル・バンサン

高校三年の頃だった。今野雄二が教えてくれたジャック・ブレル。
その今野雄二の死、ヒロシマ・ナガサキ、終戦記念日そしてお盆。
光が乱舞して躍動するする八月は同時に死に思いをいたす季節。

原作はシャンソン作家・歌手ジャック・ブレルの"Les Vieux "。
心うたれたバンサンが繰り返し繰り返しレコードをかけつつ描き絵本化した。

”年老いたふたりには、いまはもう話すこともなく、ときおり、おたがいにそっと目をやるばかり。
お金があろうとなかろうと、もうゆめもなく、思いやりがあるばかり。”

ブレルの歌においてはメリーゴーランドではしゃぐ我が子の姿を思い浮かべる追憶の如き甘みが
老いた夫婦の心持ちを救いとして縁取っているのだが
バンサンはその甘みをバッサリと削り落とし老いることの過酷さを暴いて
老夫婦に残されたものが思い出の他には何もないことをむごいくらいに浮き彫りにしてみせる。

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”年老いたふたりは、死ぬのではなく、ある日、眠りにつくばかり。永い永い永遠(とわ)の眠りに……。
ふたりはおたがい手をとりあい、あいてに死なれるのがこわいのだが――
けれどやっぱり、どちらかが死んで、どちらかがのこる。
善いほうか悪いほうか、優しいほうかきびしいほうか、それはもうどうでもよいこと。
のこった者もまた、この世の地獄におちるのだから。雨のような哀しみの中、
もう長くはないのと、もうしひらきながら、生きのこり、生きのびていく……。”

思い出が増えて行くということはひっくり返せば残り時間が減って行くということで
思い出の量と人生の手持ちの時間は反比例の関係にあるわけだけれど
時間が減れば自動的に思い出が増えるかと言えばそうともいえず
そこには思い遣る相手の存在が不可欠でそれなしには
白紙の頁が重ねられていくばかりだ。
であれば老いたふたりの今がどのように過酷であっても
それはやはり幸せな人生でもあったのだ。
ここでは人の一生の豊かさとやり切れなさが合わせ鏡のように反復する。
バンサンの眼差しの厳しさと優しさに二度三度と頷かされる一冊。
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by miracle-mule | 2010-08-11 23:52 | 本の棚♦♦棚の本

クラフトエヴィング祭り

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っていうほどのことでもないんだけど
今weekend booksでは特設コーナーを設けて
クラフトエヴィング商會をこじんまりと特集しています。
いいウソはいつもホントのすぐ隣にあって
うさんくさい分だけホントよりちょっと魅力的。
きれいに騙してほしいのは乙女もおじさんも同じこと?
けっこう性別世代を超えて支持されている様子。
鉱物やら古書やら昔臭いマシンやら、
どの本をめくってもいちから作られたオブジェと写真が過剰に美しい。
昔、子羊を捕まえるために
遊園地まで作って待ちかまえていた御苦労なオオカミの洋物アニメがあったけれど
小さなホラ話のためにここまで作り込む情熱と技には毎度撃ち抜かれます。
Bang!
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by miracle-mule | 2010-08-08 01:00 | day after day

今ちゃん

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今野雄二さんが死んでしまった。
加藤和彦を失ってまだ一年も経たないというのに
同じような形で今度は今ちゃんだ。
上の写真は中学三年の時に初めて買ったミュージック・ライフ(71年7月号)に載っていた今ちゃんの記事(CSN&Yのライヴアルバム”4・ウェイ・ストリート)です。
以降様々な雑誌を通して沢山のアーティストを教えていただいた。
T.レックス、ボウイ、ロクシー、サンタナ、スパークス、10cc、コッックニー・レベル、カルメン、ダン・ヒックス、トーキング・ヘッズ、キッド・クリオール、ジャック・ブレルetc.
どれも僕の音楽体験の核を成す宝物で
そのどれを取っても音楽コメンテイター今野雄二の
あのスタイリッシュな文章やキャッチコピーが刻み込まれてる。
ていうか気持ちの上ではそれはついこの間の事で
貪るように読んだ単行本”恋する男たち”や雑誌GOROの連載は
とことん消化されてほとんど自分の一部だ。
だからこの事で自分の一部が剥がれて落ちたような気がして
あわててロクシーなど聴いて落っこちた自分を拾い集めてる。
まだまだ美味しい文章を読ませてもらえると思っていたけれど
人にはやはり今しかないのだ。
ゆっくり休んでほしい。
ありがとうございました。
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by miracle-mule | 2010-08-04 02:42 | day after day