新着案内/ディランの種

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エリオット・マーフィー/ナイト・ライツ
Elliott Murphy / Night Lights

こーんなに良いのに何であの時手放しちゃったのかな
バカだな、短慮だったなと反省してみてももう手遅れ。
80年代の初め、手持ちのアナログ盤の多くをを処分したことについては
ことあるごとにその愚行蛮行を悔やんでいるのだけれども
エリオット・マーフィーはその際皆といっしょ処分してしまったうちのひとりで
そのうちの一枚をCDというかたちでいま一度入手し聴き直しつつ
その良さに身悶えしたりしていると
おのれの過去の過ちと再び手にした幸せとの間で
なんだか心引き裂かれた感じ。

ギターを抱えた文学崩れでもいいし
ハーモニカを銜えた街頭詩人でも
ビート書生でもいいけれど
帯や解説にある「ストリート・ロッカー」っていうの
なんだかノリが違う気がする。
だからジャケットには街角に仁王立ちのロッカーな表の写真ではなく
ブラッサイだかブレッソンだかみたいな
ナイト・ホークな物語を想像させる裏側のそれがふさわしい。
リッキー・リーの”パイレーツ”みたいにね。
代表曲”ユー・ネヴァー・ノウ..."の
ニール・ヤングそっくりのギターとハーモニカのイントロには
30年経っても胸が高鳴り
続く”ルッキング・フォー・ア・ヒーロー”では
これは以前はまったく気がつかなかったことなのだけれども
そのスティーヴ・ハーリーそっくりな歌いぶりに30年遅れで仰天。
不自然に喉を絞ったいやらしい歌声、いいなあ、好きだなあ。
そういえば”スペイス・オディティ”のフォーキーなボウイに似たところもそこここに。
ディランの蒔いた種はあの頃あちこちで実に多様な花を咲かせていたのだな。
他にもジャズ・エイジな”デコーダンス”などどれをとって好きな曲。
ただすき間を埋めるシンせやコーラスはちょっと厚化粧かな。
ボーナス・トラックのシンプルな弾き語りデモの魅力を
損なわないプロダクションであれば大の付く傑作になったかも
というのは凡夫の強欲。
万人向けではないけどその手の癖が好きな人にはたまらない一枚。

これはちょっと老けたエリオットが歌うストーンズのバラッド”ワイルド・ホーシズ”

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by miracle-mule | 2008-11-27 01:28 | 新着CD
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