様子のいい男の歌というものは

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ボビー・ヴァレンティノ/ユー・アー・イン・ザ・グルーヴ、ジャクスン
Bobby Valentino / you're in the Groove, jackson

ツエッペリンでのぼせ上がった頭を冷そうと
久々に取り出したボビー・ヴァレンティノおそらく唯一のソロアルバム。
足掛け二十年、付かず離れず聴いてきたけれどここまで良いとは正直思っていなかった。
最近では同名の黒人歌手に追いやられて検索をかけてもこちらのボビーまで辿り着けない現実が寂しいけれど
そんな逆境がこの作品に対するの愛おしさをさらに後押しする。
このスタイルはレオン・レッドボーンやダン・ヒックスの系譜に連なる今様アコースティク・スイングということになるのだろうか。
クルーナー・ヴォイスのヴォーカルはおそろしく達者でビング・クロスビーみたいだし自慢のヴァイオリンも実に気持ち良さげにスイングしている。
バックのギターもベースもドラムスも歌心があって
ジャマイカ風でもハワイ風でもメキシコ風でもテキサス風でもどんと来なさい。
あからさまにそれ風と思わせず歌声の背後に控えめに織り込んでみせるあたり
どうして粋なもの。
どれをとってもスタンダードかミュージカル映画の主題歌に聴こえるのだけれど
これがほとんどオリジナルだったのには驚かされる。
書き割り的な美しさに安心して身を任せている聴き手を
ふいに行き先の知れない向こう岸へと連れ去るラビリンスな03、05、10などは
まさしくヴァレンティノ版”アイ・スケア・マイセルフ”(ダン・ヒックス)!
そしてとどめは最後に置かれた”ファンシー・ミーティング・ユー・ヒア”。
これまで語られて来た悲喜こもごもがが
酒場から連れ出す者とてない酒に溺れた孤独な女の
アルコールの霧にまかれた幻か回想だったことを暗示して幕を下ろす。
前の記事で採り上げたファビュラス・プードルズの
岡田真澄似のフィドラー(写真右下)畢生の90年の名作。
耳に直接語りかけられるイヤホンでどうぞ。
貴女のため息をしぼること請け合いだから。
男子は乙女になったつもりで..どうぞ。
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by miracle-mule | 2009-06-06 22:58 | アーカイヴス
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