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冬の花火/エクトール・ラボーのサルサ

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エクトール・ラボー / コメディア
Hector Lavoe / Comedeia

手袋やマフラーが恋しくなるこの季節
それ以上に恋しくなるのがエクトール・ラボー(とウイリー・コローン)のサルサです。
凍てつくニューヨークのプエルトリコ移民が
常夏の故郷を偲んでキューバ音楽を手本に咲かせた
冬の花火がサルサという70年代のラテンなのだ
という見方は図式的に過ぎるけれど(もちろんニューヨークにだって夏は来る)
やはり故郷との距離をあらためて知らされる冬の寒さは
人々を望郷の想いとダンスへと誘うに違いない。
型の音楽でもあるサルサを聴くのなら
センティミエントな型に首まですっぽり埋まって
聴かなきゃもったいない。
タクシーの曇った車窓を流れるマンハッタンの夜景の如きトランペットと
ブルックリンの街灯りのように遣る瀬なくも温かなトロンボーン、
街路を流れるヘッドライトの川のようなストリングスと
パーカシッヴなピアノ
軽快なパーカションとコロ(コーラス)
そして私こそが歌手なのだと見栄を切っているようにも
歌うことしかできないのだと吐露しているようにも聴こえる
湿り気をたっぷり含んだ凄艶なエクトール・ラボーの歌声
百万の光が瞼の裏で乱舞する真冬のサルサ。
やけに酔いが回るのは安いワインのせいばかりでもないのだ。

マーク・アンソニーのラボーぶり も凄いですね。
by miracle-mule | 2009-12-16 13:22 | アーカイヴス
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