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新着案内/ジョー・ヘンリー

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ジョー・ヘンリー/シヴィリアンズ
joe henry / civilians

評判のジョー・ヘンリーをこの新作ではじめて聴きました。
どの曲も深い哀しみに彩られていて
「シヴィル・ウォーズ」では不覚にも涙を絞られましたが
それは哀しみのせいというよりは、細くはあるけれども
「確かにある一条の希望」によるものだったのだと思われます。
打ちひしがれた者の肩を無言でそっと叩く「シヴィル・ウォーズ」の三拍子。
悲痛な状況の中に希望を見出す音楽家のまなざしの射程は深く
緻密に配された音の弓は強く引き絞られ
歌声の矢は聴く者の奥底まで達して心を強く揺さぶらずにはおきません。

トム・ウェイツ、ボブ・ディラン、ダニエル・ラノワ、
ボノ、スティング、エルヴィス・コステロ。
連想するひとは何人もいますが
感動の質は誰にも似ておらず
強いて言えば作品の核に他者の心の痛みに対する強いシンパシーがある点において
天童荒太「永遠の仔」の読後感と
通ずるところがあるかもしれません。

ビル・フリゼールのギターをはじめベース、ドラム、マンドリン
スライド・ギター、弦楽クァルテット、、メロトロン(らしき音)、
そしてヴァン・ダイク・パークスのピアノ。
様々な音色を絶妙な手つきで織り上げた歴史的作品に聴き惚れています。

それにしても失われた時代を呼び起こす力が
三拍子には宿っているように思えて不思議。
by miracle-mule | 2008-01-15 02:39 | 新着CD
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