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新着案内/アントニー&ジョンソンズ

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アントニー&ジョンソンズ/アイ・アム・ア・バード・ナウ
Antony & The Johnsons / I am a bird Now

庭で久しぶりに車を洗っていると
昨夜からカー・ステレオに入れたままのCDが鳴り出した。
サングラス越しにも眩しい初夏の光が若葉や水に当たって乱舞する中
場違いに隠微な歌声が響き渡る
D.リンチの”ブルー・ヴェルヴェット”のオープニングさながらのミス・マッチなシーンには
洗車の手もしばし止まりました。
知る限りルー・リードの”ベルリン”、”コニー・アイランド・ベイビー”以来
最も悲痛な響きを持った作品ですが
40年近い時の差によるものでしょうか
”ベルリン”や”コニー・アイランド”にあったような悲惨さは見当たらず
代わりに悲痛な中から発せられる
性差を超えた体温の温もりのようなものが伝わって来ます。
ルー・リードの印象的なモノローグから
抑制を効かせたじらすような導入部を経て
次第に歌声やブラスが熱さを増して行き終いに沸騰する様が圧巻の
(7)"Fistfull of Love"のサザン・ソウルぶりに聴き惚れます。
その他の曲もカポーティのデビュー作”遠い声遠い部屋”の女装の男ランドルフに
歌わせたらこうなるかなと思わせるような
危うい美しさに溢れています。

ボーイ・ジョージ、ルーファス・ウェインライトも参加の
2005年のセカンドです。
by miracle-mule | 2008-05-07 00:47 | 新着CD
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