本に呑まれて その5

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中沢新一/カイエ・ソバージュⅤ 対称性人類学

「(一神教や一神教と結合した資本主義にたいして
私たちは今日、精霊の主張する対称性の思考の側に立った
誇り高い立場からの批判的解明を試みるべきです)
『日本人には宗教性が乏しい』などという言いぐさを
逆手にとってやろうではありませんか。
宗教性が乏しいかわりに、
私たちには精霊の世界との近さという
野生の豊かさが残されているのですから」

別の所では
「野生が失われたときに野蛮が発生する」
「文化が衰退して文明が始まる」
とも言っています。
中沢さんの話はなかなか難解で理解できなかったり
論の飛躍が大き過ぎてついていけなくなったり
いくらなんでもそれは手前みそ過ぎるんじゃないかと
思わされたりすることもままあるのだけれど
こういう言葉がするりと語られると
世の中に失望しかけているとき
勇気づけられてほんとにありがたい思いがする。
ふむ、精霊が近くで息をひそめておるのだな。

中沢さんは学者らしからぬ美文家だけれども
雄弁家としてもたいへんなものだということが
この大学での講義録を読むとよくわかります。
ノーブルな顔がまた良いので訳もわからずもう20年以上ファンでいる
愚かな主婦などもごく近くに一名おるのであるが..
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by miracle-mule | 2008-09-02 13:04 | 本の棚♦♦棚の本
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