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by miracle-mule
| 2009-12-23 13:17
| day after day
さてこれが天国のドア。 86年からまる二年何をしていたかというと お茶してはしゃべくり食べては騒ぎ飲んでは倒れを繰り返す体たらくで 活動の実体とか実績は皆無。 もともと勝手連でさえない単なる自称というかホラだったので。 リンクしてるティム・ドナヒューにフレットレス・ギターを弾いてもらったことはあったけどあれは完全なインプロ・ジャズだった(でもちょっと自慢)。 アメリカやヨーロッパの人は普通にいたけれど メキシコやエクアドル、パラグアイなんて当地ではレアな人たちが 喜んで飛び込んで来たのはこちらとしてもとてもうれしく 彼らに楽しんでもらえたのは 振興会の名に恥じない立派な活動であったとちょっと威張りたい。 バブルの狂騒曲、地上げの嵐に巻き上げられて このあたりによくすわっていた小ぶりな女子をひとり後々連れあいにすることにしてあっさり幕。 振興会ってただの婚活だったのね。 #
by miracle-mule
| 2009-12-22 01:36
| day after day
Hector Lavoe / De Ti Depende この二三日は当地でも顔や耳が痛くなるほどの冷え込みで もう絶好のサルサ日和というかエクトール日和。 エクトール・ラボーのサルサが、とりわけこの”De Ti Depende"がまずいのは なかなか他の音盤に手が出ずひたすら本作に溺れてしまうところ。 パーカッションは原始の海に沸き立つ気泡 ピアノは大気を切り裂く雷鳴 ブラスの大風が吹き渡りコロが囃し立てる中を 抜群のノリのラボーのヴォーカルが巻き舌も鮮やかに疾走する 01"Vamos a Reir Un Poco"で いきなり内なるラテン魂が発火。 つづく02のボレーロ"De Ti Depende"では ロマンティックこの上ない流麗なヨーモ・トーロのクアトロとラボーの絶唱で ありったけの涙を絞られ すっかり恋に破れた女の気分で 「あたしを置いて行かないで」 などとよろめいているうちにも事態は進み さっさと世紀の名曲03”Periodico de Ayer"の幕が開く。 トロンボーンとトランペットの絶妙なアンサンブルに乗って 粋でなまめかしいヴォーカルと山肌を下る霧のようなストリングスの 寄り添っては離れ離れては絡まり合う様の言葉を失う美しさ! この先も佳曲が連なっているのだが もはや聴き手の息は乱れ前頭葉はとろけて正気もとうに失われ その先の印象は四半世紀経っても薄暮の中で朧げなまま。 この三曲を一度でも耳にしていただいて 一人でも多くの方が同じ(幸福な)病を患っていただけたら うれしく思います。 東京トロピカル音楽振興会沼津支部(会員二名)初代支部長 談 #
by miracle-mule
| 2009-12-19 22:02
| アーカイヴス
Hector Lavoe / Comedeia 手袋やマフラーが恋しくなるこの季節 それ以上に恋しくなるのがエクトール・ラボー(とウイリー・コローン)のサルサです。 凍てつくニューヨークのプエルトリコ移民が 常夏の故郷を偲んでキューバ音楽を手本に咲かせた 冬の花火がサルサという70年代のラテンなのだ という見方は図式的に過ぎるけれど(もちろんニューヨークにだって夏は来る) やはり故郷との距離をあらためて知らされる冬の寒さは 人々を望郷の想いとダンスへと誘うに違いない。 型の音楽でもあるサルサを聴くのなら センティミエントな型に首まですっぽり埋まって 聴かなきゃもったいない。 タクシーの曇った車窓を流れるマンハッタンの夜景の如きトランペットと ブルックリンの街灯りのように遣る瀬なくも温かなトロンボーン、 街路を流れるヘッドライトの川のようなストリングスと パーカシッヴなピアノ 軽快なパーカションとコロ(コーラス) そして私こそが歌手なのだと見栄を切っているようにも 歌うことしかできないのだと吐露しているようにも聴こえる 湿り気をたっぷり含んだ凄艶なエクトール・ラボーの歌声 。 百万の光が瞼の裏で乱舞する真冬のサルサ。 やけに酔いが回るのは安いワインのせいばかりでもないのだ。 マーク・アンソニーのラボーぶり も凄いですね。 #
by miracle-mule
| 2009-12-16 13:22
| アーカイヴス
Leonard Cohen / Live in London 今年出た08年のロンドンでのコーエンのライヴ。 どことなく悪いおじさんぶりと漂うフランス臭さに ”星からの悪い知らせ”の頃のゲーンズブールを思い出す。 こんなに格好良いひとだったか。 すっかり気に入ってしまい浴びるように聴いている。 ミュージカル・ディレクターのひらめき豊かな演出と バンドの演奏力がまた凄い。 鳥や魚の群が隊列を乱すことなく不意に向きを変えるような自在さで めまぐるしく、滑らかに演奏がその表情を変えながら 曲の奥深くにしまいこまれた可能性を掘り出しては 宙に解き放っていく瞬間の連なりに立ち会うのは官能的な体験だ。 サックスがむせび泣く直前で引き返し ジャズ寄りのミュージシャンたちがジャズ臭を巧みに抑えて 演奏に 深い余韻 を残す一方で マンドリン・タイプのバンデュリアやアーキラウド(と読むのかな)は 存分にかき鳴らされてフランスどころかスペインも飛び越えて 北アフリカの香りを運びこんて聴き手を酔わせもする。 かように音楽が文句のつけどころなく素晴らしいのに加え こなれた声と姿がまたいいのだ。 地の底から響いて背骨を這い上がる つぶやくようなささやくような歌声も見事なら デビュー当時は老けたダスティン・ホフマンのみたいだったのに 今やショーン・コネリーを思わせる老け方も見事。 これで74歳?惚れ惚れする。 遅くとも85年にルイス・フューレイと組んで”ナイト・マジック”を出した時に 気付くべきだったと悔やまれる。 また四半世紀も遅れてしまった。 それとも晩成のひとでこうなったのは最近のことなのか。 それならちょっと救われる。 22世紀に残したい世界遺産。 今年のマイ・ベストです。 #
by miracle-mule
| 2009-12-12 03:02
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